第23話
「し、白川さ…んっ!」
『はぁ…なに?かすみ』
白川はかすみが何か口にしようとする度にその少し開いたかすみの口に自分の舌をねじ込み、口の中を舐めまわしながら、
かすみの震える体の形を確かめるように手を這わす。
「やっ、やめてください!」
『どうして?僕は君が好きで、君も僕が好き。これはごく普通の愛情表現だと思うけど』
暗い瞳のまま、白川は甘えるようなあざとい表情を作り、小刻みに震えるかすみの腰を強く引き寄せて首筋に顔を埋める。
「いっ!/////いつ、私が好きだと…!私が好きなのは!」
『好きなのは?』
白川は身を捩って抵抗するかすみを無視し、片手でかすみの着ているワイシャツのボタンを外しながら首筋から下へと順にキスを落としていく。
「す…き、なの…は…」
白川の甘い声と、リップ音を聞いている内にかすみは、反論しようとしていたはずが、頭がぼーっとして、自分はそもそも何に対して反論しようとしていたのかすら分からなくなってしまった。
『ほら、もう忘れちゃったね?だから本物じゃないって言ったでしょ?君の本物は僕だ。他の誰かの記憶なんて要らないよね?』
「だ、だめです…/////ま、待って!」
かすみは鎖骨の辺りから胸へと埋められていた白川の顔がふっと上げられ、強引に顎を掴まれると、慌てて顔を背けた。
『………………』
白川はそんなかすみをしばらく冷たい目で見つめ、かすみが一向に自分の方を見ないのを察すると、かすみを体ごと持ち上げ、足元に咲き乱れる花々の中へと押し倒した。
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