ミミック転生 〜召喚した眷属のドロップ報酬に扮して騙し討ち〜
@noishin1
第1話 ミミックに転生
ーピチョン‥。ピチョン‥。
…なにやら水の音が聞こえる‥。
(うぅ‥俺は‥?ここは‥?)
水の音で目を覚ました。そして周りを見渡してみる。そこはとても広い薄暗い洞窟だった。
「ど、どこだここ〜!?!?!?」
一旦記憶を整理してみる。
俺は元々普通のラノベ好きな高校生で、普通〜に充実した生活を送りながら、心の何処かで刺激を求めていた。そしてある日の通学中、急に自分の足元が暗く渦巻き、その渦巻きの中に落ちてしまったのが最後の記憶だ。
「つ、つまり‥俺は謎の暗い渦巻きの中に落ち、この謎の洞窟の中にいるってわけか‥!?」
でも落ちたとしたら痛みがあるはずだがどこも痛くない。しかし移動しようとしてみても移動しにくい。必死に近くの水たまりに這いずり、水面に写った自分を見てみる。そこには目が1つの小さな手足が付いた宝箱がいた。
「なんっじゃこりゃぁ〜!?俺、宝箱のバケモンになってる!?」
これはいわゆる転生ってやつか‥?それにしてもなぜ宝箱‥。これはあれか。宝箱に擬態して、宝目当てで開けようとしてきた敵を捕食する、ミミックってやつか。通りで動きにくいわけだ。
「それにしてもどうしてミミック‥。人間と言わずとも、スライムとかドラゴンとかメジャーなやつあるだろ‥」
悔やんでも仕方ない。これがいわゆる転生ってやつならば、アレが使えるはず‥。そうっ!ステータスだ!
「ステータス!」
そう声に出して唱えてみると、目の前に青いウィンドウがでてきた。
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ミミック レベル:1
HP30/30
攻撃力:5
敏捷:3
防御:10
スキルポイント:1
【スキル】
「眷属召喚」「鑑定」
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ふむふむ‥やはり自分はミミックになったというわけか。レベルは1。そしてスキルが‥「眷属召喚」‥?
と「鑑定」か。とりあえず「鑑定」を使えるか試してみよう。
「鑑定!」
そこで俺はこの地面を鑑定してみた。
【洞窟ダンジョン(5階層)の地面】
洞窟型の様々な魔物が存在するダンジョンの地面。
30階層あり、10階層をクリアできたら1人前の冒険者と言われている。
おおっ!しっかり鑑定できたな。ここはやはりダンジョンらしい。
「30階層‥深いのかはよくわからないが‥。大事なのはここだ!冒険者!?やっぱり冒険者が存在する異世界のようだ!憧れるなぁ‥!!」
まぁ、魔物のミミックとなってしまった俺には関係ないけどね‥トホホ。
「でもそれならこのダンジョンに攻めてくる冒険者がいるってことだよな‥。自分はミミックだし、やっぱり見つかったら殺されちゃうのか!?」
こうなったら、冒険者に殺されないように強くなるしかない‥。やっぱり死にたくないもんね。でもミミックが強くなれるのか‥?
そんなことを考えていたら、近くで声がする。
「ギャーッヒッヒッ!」
ネズミのような小さな生き物を、持っている棍棒で叩きつけ食べていた。
見つからないように遠くから鑑定してみる。
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ゴブリン レベル:5
HP:60/60
攻撃力:15
敏捷:10
防御:5
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「俺より全然強いじゃねえか‥。見つかったら‥殺される‥!」
こっちに近づいて来る!なにか手段はないのか‥!?
「そっ、そうだ!スキル!スキルがあったはず!なんか強そうな名前だし!」
「眷属召喚!」
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【エラーメッセージ】
現在、眷属となっている魔物がいないため発動できません。
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「オイー!?なんで使えないんだよ!なんか普通は最初からいるはずでしょ!?」
ど、どうすれば‥。ハッ!そういえばスキルポイントが1あったはず!これを使えばなにかスキルが使えるのでは!?
「スキルポイント使用!」
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取得可能スキル:「気配遮断」
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「えっこれだけ!?いやっでもッこれでもないよりはマシだ!取得!」
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スキル:「気配遮断」を取得しました。
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ひいっ!もうすぐそこにゴブリンが近づいて来る!
「け、気配遮断使用!」
その瞬間、自分の存在感が薄まったように感じた。
シーン‥‥‥。
「ギャヒ?グギャギャ?」
ゴブリンは俺のことに気づかずに過ぎ去っていく。
「ふぅ~なんとかなった‥。ゴブリンでさえ俺よりあんなに強いなら、どうやっていけばいいんだよ‥。」
その瞬間、また近くで変な音が聞こえるのだった。
(ズリ‥ズリ‥)
【あとがき】
本作が初執筆です。初心者なので拙い部分も有ると思いますが、応援してくれると嬉しいです。
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