第9話

付けっ放しのテレビから義務的なアナウンサーの声が聞こえてくる。



少しだけ日当たりの悪い蒼甫の部屋は、真冬の今は息をすればそれが白く現れる程寒い。



蒼甫の口から吐き出された息は細く頼りない。



「まじでどうした?具合悪いの?顔色悪いよ?」



青ざめた顔からは力を感じられなくて……



「一服したら?」



テーブルの上の煙草を指差しても蒼甫は反応してくれない。

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