完璧な少女と衝撃の過去

ぷりず

第1話 完璧な少女

唐突だが少し自己紹介をしようと思う。僕の名前は河村潤(かわむらじゅん)。何の変哲もない高校1年生だが、中々に壮絶な過去を過ごしていたと自分で思っている。


...あれ、俺はなんで急に自己紹介し始めたんだろう...まあいいか。そんなことより、今日は金曜日。そしてなんと、来週の月曜日は祝日である。今日を乗り越えれば三連休。それを考えると、少しニヤけてしまいそうだ。


「やばい早く家出ないと。遅刻ギリギリだ。」





学校に着くと、数人と挨拶を交わし、自分の席で色々と準備しながら、友達と駄べる。自分自身、青春をしているとは思っていないが、中々楽しい学校生活を送れていると思う。しかし、僕も腐っても男子高校生。彼女が欲しいものである。しかし、特別陽キャでもなく、部活もやっていない、本当に平凡な僕に、そんな機会なんて無い。自分の周りの奴らも、彼女持ちは誰もいない。グループ内で、誰が最初に彼女ができるか、予想したりもしている。


「なあ潤。お前って顔は悪くないのになんで彼女いないんだ?」

「出たよその話題。何回目だよ」

「だって、たまに女子から聞くけど、お前って結構女子からの人気あるんだぜ?」

「それも顔だけなんだろ?別に嬉しくねえよ」

「そう言って〜。どうせ内心ニヤニヤしてんだろ??」

「してる訳ねえだろ」


さっきから俺の事を舐め腐ってるこいつの名前は、木村雄志(きむらゆうし)。今1番仲がいい奴だ。こいつは俺の顔を時々褒めてくる。正直少しだけ嬉しいが、顔だけ褒められても良い印象を持たない。


「潤、1限移動教室だぜ。さっさと行くぞ」

「悪い筆箱忘れたかも。先行っといてくれ」

「あ〜分かった。先行く」


そして、筆箱が何とか見つかった。少し時間がかかったため、急がないと遅刻してしまうかもしれない。足早に教室を出て、廊下を歩いていた時、突然背後から話しかけられた。


「あの、四組の河村くんですか?」

「ん?あ、はい。そうですけど」

「あの、嫌じゃなかったらでいいんですけど、少し私に着いてきて欲しいなって...」

「別に全然嫌って訳じゃないんだけど、もうすぐ授業だよね?僕も君も、遅刻扱いになってしまうよ」

「実は私、生徒会に所属していまして。重要な話をしていたと伝えれば、遅刻を免除できるんですよ」

「まじで!生徒会チートすぎるだろ!!」


少し生徒会に入ろうか迷ったが、確実に面倒くささが勝つだろうと思い、すぐに諦めた。


「じゃあ、全然ついて行くよ。僕も君も、遅刻にならないんだし」

「あ、いやあの、私は遅刻免除できるんですけど、貴方は遅刻免除できないと思います...」

「...は??」


早急に話を断ち切り、授業場所へと走って向かったが、余裕で遅れ、何故か昼休み職員室に行く羽目になった。さっきの人、次会ったらめっちゃキレたろ。あぁ、俺がモテないのってこの性格のせいかもな。




「はぁ〜職員室行ってくるか〜」

「なんかしょうがなくみたいな感じ出してるけどお前に選択権無いで?確実に」

「だるいわ〜まじ」



そうして職員室に着いた俺は、先生を呼ぼうと、ドアを開けようとしたのだが、

「君、もしかして河村潤くんかな?」

振り返って見ると、僕に声をかけたのは、石川瑠那(いしかわるな)。この学校で、一番可愛いと言われている。そして、勉強も、運動もトップクラスにでき、まさに完璧な少女だ。その顔を間近で見るのは初めてだが、見惚れてしまいそうなほど整った顔立ちだった。


「は、はい。そうですけど。何か僕に用が?」

「そうね、ここじゃ話しずらいから、少し場所を変えて話しましょう。」

「いや、でも僕、先生に呼ばれてて...」

「いいの、私から言っておくから」


なーんか多少の既視感があって信用しにくいんだけど。


「わ、分かりました。」


そんな返事をして僕は石川さんについて行くのだが、一体僕になんの用があるのだろう。今まで接点なんてなかったし、なんか怖いな。


それにしても、後ろ姿も何から何まで美しい。噂によると、毎日1回は告白されるレベルらしいのだが、それも無理はないと思った。逆に悪い所を見つける方が難しそうだと思った。そんなことを考えていると、空き教室に着いた。ここで話すのか。


僕と石川さんが教室に入ると、石川さんは、すぐにドアを閉め、カーテンもかけて、外から中が一切見えないようにしていた。それほど機密的な話をされるのだろうか。



















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