転生したらしてなかったっぽい⁉︎てか、義妹がいろいろやばすぎるんだが⁇
猫の集会
転生したん?
暗い部屋にポツンとオレは座っていた。
腹が減った。
しかし部屋から出るわけには、いかない。
だって、下の部屋には飲んだくれた両親がいるから。
学校に行っていた頃は、給食とやらがあったけど、今じゃ学校にすら通っていない。
…
早く大人になりたい。
でも、まともな教育も受けていないオレがまともな大人になんてなれるはずもない。
あぁ、どんどん寒くなってきたし…眠い…。
…
「起きなさい。夜ですのよ?」
⁇
普通…起きなさいの後って朝じゃね⁉︎
てか、なんだろう…このふわふわとした心地よさ。
懐かしい揺れ。
ママンの抱っこ…なわけがない。
オレの両親は、いつも二人して飲んだくれていたし、オレのことなんか抱っことかしてくれていなかっただろう。
たぶんだけど…。
じゃあ、この心地よさは…
あぁ、あれだ。
地震のときの揺れだ。
眠っているときに揺れる地震は、オレにとってのゆりかごなんだ。
「寝ないでくださる?お時間ですの」
…
ん?
目を開けると、オレの目の前に赤い髪の美しい女性がオレをみおろしていた。
…
「え、だれ?ってか…ここは…」
一面真っ白だった。
「わたしは、天使のテンでございますの。そしてここは、雲の上ですわ」
…
あー…オレ死んだ系?
「あなたがなかなか起きないので、順番待ちを代わりにわたくしめがしておきましたの。さぁ、こちらへ」
天使にてをひかれオレはついていった。
「さぁ、あのドアにどうぞですの。」
…
「え、オレって…もう次の転生先決まってるの?」
「はい。もちろんでございます。では、いってらっしゃいませの」
…
あの天使…語尾がいちいち気になるわ。
とりあえず言われるがままドアを開けた。
うわっ、眩しっ‼︎
ドアの向こうに飛び移ったとたん、オレはビシャってなった。
ん?
一瞬でよくわからなかった。
「あ、ごめんなさい」
…
ん?
聞き覚えのある声…。
目を開けると、さっきの赤髪の天使だった。
「あれ…さっき、いってらっしゃいって言われて…」
「はい、そうなのですが…非常に申し訳ありませんっ‼︎わたくしめ、ドアの案内間違いをしてしまいましたの。まことに申し訳ありませぬっ‼︎」
鏡で今の状況を見せてくれた天使。
…
潰れたシュークリーム…。
え?
「オレって…シュークリームに転生してたの?」
「はい。手違いで…すみませぬ。」
…
シュークリームって…
しかも卵とか小麦とかですらない…かんせいけいのシュークリームって…。
「さぁ、気を取り直していきましょう!」
またも天使にてをひかれるオレ…。
「こちらのドアでした。では、今度こそお気をつけて〜ですの」
天使がオレに手をフリフリした。
いや、気をつけるのあんただから!
って思ったよね。
ドアをガチャリとあけると…どうやらオレは、今度はまともに転生できたっぽい。
どうやらオレはどこぞか、わからない母親のお腹にいるようだった。
「早く元気な赤ちゃんみたいなぁ」
「そうだね」
なんて会話が聞こえる。
優しそうなご両親っぽい。
あ、そういえばさっきドアくぐっていたときに天使がなにか言っていたような気もしないような…。
ま、いっか。
オレは、母親のお腹の中でスクスクと育った。
そしてついに産声をあげた。
「男の子ですよ〜」
「「「おめでとうございます」」」
皆から祝福されてのご登場〜って…
あれ?
待って‼︎
オレのお母さんって…
え…待って‼︎
この顔…見覚えがございます。
オレの転生先の母親って…
まさかの飲んだくれ母さん…なんだけど…なんか若くね?
父さんも…若くね?
どうしてこうなった⁇
てか、転生したん?オレ…?
なんだかわからなかったけど、でもオレは同じ両親の元、二度目の人生をやり直すこととなったようだ。
二度目でいいんよね⁇
前世シュークリームだったってのは、はしょっていいんよね?
そんなこんなでスタートしたオレの人生は、とても最高な人生でした。
あの飲んだくれ両親とは違い、めっちゃくちゃ優しい両親だった。
そしてオレも学校へ通っている。
ただ…ひとつ違うのは、今日からオレに妹ができるってことだ。
妹と言っても、オレの本当の妹ではない。
どうやら訳あって、ご両親のいない子をうちで引き取るってことらしい。
学校から帰ると、もうその子はうちに来ているそうな。
どんな子かなぁ?
楽しみだなぁってルンルンで家に帰ったんだよね。
そしたら…まさかの赤ちゃんでした。
二、三歳くらいかなって思っていたからめっちゃびっくりだった。
それも、生後まもない赤ちゃんだった。
「うわぁ〜、かわいい〜」
オレは赤ちゃんを覗き込んだんだ。
寝ているみたいだった。
両親は、まだ赤ちゃんが寝ているから今のうちに済ませれることは、やってしまおうとテキパキ動き出した。
でも、オレは宿題以外やることもなかったから赤ちゃんをみていたんだ。
そしたら…
「お久しぶりですの」
って、どこからともなく声がした。
ぞくっとした。
この声…って…
え?どこっ⁈
オレは後ろを振り向いた。
…誰もいない。
でも…確かに聞こえた。
あの声は…天使の声だ。
オレまた死んじゃうの?
…
「死にませぬ」
⁉︎
「どこ‼︎どこにいるの‼︎」
「こら、ユキト〜赤ちゃんが起きちゃうー」
って軽く怒られました。
「ふふ、ここですわの」
…
え?
まさかの赤ちゃん⁈
赤ちゃんが小さくてかわいい目をひらいた。
‼︎
目…
光によっちゃ、赤く見えるぞ…。
大丈夫なのか⁇
オレの心配をよそに赤ちゃん…いや、天使?は、
「こんにちはですの」
って微笑んだ。
⁇
赤ちゃんは、オレの脳内に直接話しかけているみたいだ。
両親には聞こえていない…。
オレにしか聞こえないんだ。
オレは両親に、ひとりごとをいうヤバいやつって思われたんじゃね?
その赤ちゃんは、いったいなぜ現れたのかなぞだったが、オレはまだこの人生を謳歌していていいみたいだ。
そしてこれからオレと天使みたいな赤ちゃんのテンとのドキドキな人生が待っていた。
続く。
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