奇襲
「ククク…ハッハッハ!」
高笑いの声が部屋に響いた。本当、滑稽ね…私の本当の策略にも気付かぬままとは…!
ダンジョンの一番最初に【
「これを使って…ふふふ…」
あの3人の人間を蹂躙できる最強の兵器ができる…!
「さぁ…目覚めよ、【
【
さらに、戦闘中に常時動きを最適化しながら戦闘を行うことから、試行回数と戦闘時間が増えれば増えるほど【
「完璧ね…!」
あの3人の絶望に染まった表情を見られると思うと…楽しみね…。
「さあ行きなさい、【
大きな駆動音を立てて、【
「さぁ、勝ち戦の試合観戦と行きましょう?」
丁度、彼らも到着する頃でしょう。
■
「…いやはや…まさか最序盤に【
あの後、なんだか良く分からないけどトキハちゃんと純白ちゃんに詰められたけれど、今のところ特に問題なく攻略できている。
———突如、トキハちゃんの足元が赤く光り出した。
「―――トラップ!?」
「【重力加速】!」
隣に居た純白ちゃんがトキハちゃんを抱えて、重力加速で後ろに下がる。
「なんで…?」
「あれ、そこにトラップなんて見当たらなかったけど…」
「―――リリィさん!後ろ!」
「―――え?」
次の瞬間、私の首元に何かが刺さった感触を感じた。…あれ…体が動ないや…麻痺かな…。
思うように体が動かなくなり、そのまま地面に倒れる。…この麻痺…結構強い奴だ、この調子だと…動けるまで2分ってところかな…。
やらかしちゃったなぁ~、まさかこんな所でPKに遭遇するだなんて…。
「リリィさん!」
「くっ…トキハちゃん!」
二人が戦闘をしてる音が聞こえる。相手は一人じゃないみたい…となるとPKパーティ…また厄介な…。
仕方ない…二人にはちょっと頑張ってもらおう。
■
「なんなんですかこの人達!?」
リリィさんも対応できてなかった…、という事は、それだけ隠密が得意だという事…。
「―――タリスタさん!後ろ!」
「―――危…ないっ!ありがとうトキハちゃん!」
タリスタさんが背後から忍び寄っていたPKの一人に蹴りを当てて吹き飛ばした。
「だけど…流石に人数不利だね…」
「ですね…」
タリスタさんに背中を預けながら、お互いに武器を構えて睨み合っている状態になった。
…このままリリィさんが復帰してくれたら…!
「…どうやら、お相手はリリィさんを戻す気がないみたいだね」
この独特の駆動音…。
「―――まさか」
直後、リリィさんのいた地点から大きな衝撃波が発生した。巻き上がった土煙で視界が奪われる。
「【
「ちょっとこれは…ジリ貧とかの話じゃないね…どうする…トキハちゃん」
「大人しく逃がしてくれる気は…一切ないみたいですね…」
「迅雷は?」
「
相手は隠密特化だから、攻撃を避けられないとは限らない。いくら神速迅雷が速いからって、その速度にも限度があるのだ。
…それに、ここはさほど幅もない一本道、神速迅雷や迅雷だと、小回りが利かなさすぎる。
「…コンヴィクションも…当たるかどうか」
「一か八かの賭けに出るのは最終手段ですね…」
まもなくして煙が晴れる。【
「リリィさんは!?」
「分からない!今は避ける事だけに集中して!」
【
「―――くっ…はぁっ!」
PKの動きが全く読めない…攻撃も殆ど避けられる…。
「正しく絶体絶命だね…」
幸い壁際で囲まれていないのが救いともいえる。もう少し後ろに下がれれば最初の部屋だ、そうすれば多少は広くなる…。
「―――っ!壁!?」
最初の部屋から出てきた場所は壁になっており、二度とあの部屋に戻ることはできないようだった。
…けど、直線なら…!
「【重力加速】!」
「【刀剣術・神速迅雷】!」
壁を蹴り、PKと【
そのまま180度反転して【
「―――っ!」
既にこっちを向いていた【
「――—あっ…!」
背後から忍び寄られたPKに麻痺状態にさせられた。体が痺れて、何の抵抗もできずに地面に倒れてしまう。
そしてそのまま【
「【剣術・
滑りこむようにしてどうにか私の前に立ったタリスタさんが発動した
――――――――
作者's つぶやき:なんか、絶体絶命…ですね。
リリィさんはどうなったんでしょうかね…案内人がこんな所で死ぬこともないと思いますが…。
まあ人間奇襲には弱いですよね、リリィさんも咄嗟の反応ができないことだってあります。
気付かれずに忍び寄れるこのPK達のアサシンレベルが高いんですね、とっても。
さてさて、3人には頑張ってもらいましょう。
――――――――
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