サマーダンジョンへレッツゴー!

 ダンジョンから戻ると、空にポツリ浮かぶ太陽が猛烈に輝いて、私たちに光を浴びせる。

「暑…」

 ダンジョンから出てすぐなのに、そんな言葉が口から零れてしまう。

「…さっさとサマーダンジョン行きましょうか…」

「水着から着替えて行く?」

「それでもいいけど~…せっかくのサマーイベントなんだし、水着のままでいこーよ」

 皆の水着姿も貴重だからね~。

「私もそろそろラッシュガード脱ごっと」

「…スタイルいいなぁリリィさん」

「二人ともとそんなに変わらない気がするけどね?」

 実際二人のスタイルだってとても綺麗だ。

 水着でオープンになっているお腹は綺麗なくびれがあるし、体全体のラインも綺麗。それに何時もよりも露出度が高い二人の綺麗な肌。

「…世の中の殆どは釘付けだと思うんだけどなぁ」

 モデル顔負け…とまではいかないかもしれないけど、それでも二人だってかなり美貌だ。

「それになんてったって水着だしね」



 さて、そんな会話もほどほどに、私たちはサマーイベントのために用意されたサマーダンジョンを攻略することにした。

「―――おぉ…!?」

「これは…すごい…」

 まず最初に私たちを出迎えたのは、リゾートかと思うほどの絶景なオーシャンビュー。到底ダンジョンの中にいるとは思えないね…。

「…それで、このお洒落な海をバックに戦っていくのかな?」

「そうみたいですね…」

「タンク型…また面倒な…」

 海の見える部屋から先の廊下にはタンク型の【纏盾シールダー】が5体。本体も防御力は高いし、正面からの攻撃は盾に防がれて一切受け付けないと来た。本当に厄介な敵なんだよね…幸い機動力は無いから後ろに回れれば攻撃自体は当てられるんだけど…。

 そこで効いてくるのが本体の防御力の高さ。絶対に一発じゃ壊し切れないし、なんだったらほんの少しずつ自己修復もするから本当に厄介な敵…。

「時間稼ぎにはもってこいだね…」

「…奥からは【纏弓アーチャー】もお出まし…」

 さらに、【纏盾シールダー】の手前の床が動き出して、【纏矛パイカ―】がエレベーターにのって6体出現した。

「【てん装具そうぐ】シリーズなので防御力はかなり高いですね…」

「持久戦に持ち込む気満々だね…」

 てん装具そうぐシリーズ。【纏盾シールダー】、【纏矛パイカ―】、【纏弓アーチャー】、それと【纏赫アームダー】の4種類の敵の総称。

 防御力は最強格、攻撃力もトップクラス。機動力が若干劣るけど、それを感じさせなくらいには機敏な動きもできる。

 ちなみにこれらを倒すと手に入る【てん装具そうぐ】シリーズの装備は結構強い。使い方がハマれば突破するのは本当に困難になる。

「それじゃあ…まずは【纏矛パイカ―】をどうにかしないとね」

 矛というか薙刀と言うか…長い柄の先に刀身が付いている武器を持っているのが【纏矛パイカ―】。それぞれ装備してるもので呼び分けられるのが良いよね、分かりやすい。

「…、———【重力加速】!」

 純白ちゃんが【纏矛パイカ―】の一体に突っ込んでいく。飛び上がった純白ちゃんに対応しようと【纏矛パイカ―】も飛び上がったけど、一歩遅かった。

 先に純白ちゃんの剣が、【纏矛パイカ―】に命中する。

 地面に凄まじい勢いで叩きつけられた【纏矛パイカ―】は、姿勢こそ崩しているものの全然ピンピンしている。

「なんで生きてるのさ…!」

「私たちも行きましょうか」

「うん、【空中跳躍】」

「【刀剣術・疾風ハヤテ】!」

 トキハちゃんは迅雷でも神速迅雷でもなく疾風ハヤテを選択した。

 曰く、基本的に連続攻撃が主体となる以上、疾風ハヤテの方が小回りが利くから、らしい。

 迅雷も神速迅雷も、【てん装具そうぐ】シリーズを相手するのは早すぎるんだってさ。

「【剣術・トリプルスラッシュ】」

 空中跳躍で【纏矛パイカ―】の後ろに回って、背中に三連撃。龍鱗剣だとちょっとばかしダメージが少ない気もするけど、最早この防御力まで来ると誤差の範疇だろうね…。

「【剣術・ソニックブレード】」

 ソニックブレードは、切ってからすぐ後に音速の刃がもう一度相手を切り刻むスキル。ソニックブレード自体はちょっと飛ぶから、遅れてやってくる斬撃として相手の意表を突くために使えない事もない。

 ただソニックブレードは、単発の威力はそんなに高くはないんだよね…。

「ほっ———」

 【纏矛パイカ―】の薙ぎ払い攻撃を上半身を大きく逸らして避ける。

 柄に脚を当てて【纏矛パイカ―】の薙ぎ払いを強制的に止めて、そのまま矛を足に引っ掛けたままバク宙をする。

 矛を固定されている【纏矛パイカ―】は抵抗することもできず床に叩きつけられた。

「【剣術・トリプルスラッシュ】、【剣術・ソニックブレード】」

 3×2の計6連撃、ソニックブレードの威力はちょっと低いとはいえ、これでも結構ダメージを与えられたはず…。

「…倒せた…ね」

 やっと一体を機能停止状態にまで追い込むことができた。

「さて…残りはあと…3体」

 まあ、やるしかないよね。

「【空中跳躍】、【剣術———】」

「―――」

 ビープ音が3回鳴った後、【纏矛パイカ―】が【空中跳躍】を使って私との距離を急速に詰める。

「まさか———【技術模倣スキルトレース】!?」

 【纏矛パイカ―】にそんな機能あるなんて聞いてないんだけど!しかもなんでよりにもよって空中跳躍…!

 空中を駆け回る【纏矛パイカ―】が私の後ろから、矛を構えて突撃してくる。

「っ、【空中跳躍】!」

 これは…ちょっとマズいかもね…。


――――――――

作者's つぶやき:やっとサマーダンジョンですよ。長くないですか?…本当に。

さて書くことがない(いつもの事)

まあ、リリィさん達がんばえー。

以上です。

――――――――

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