風花

一閃

第1話

風花舞う道を君が行く

今日の別れに

「さよなら」を言う勇気もなく

「またね」と仮初めの約束もせずに

とり繕うように 笑ってみせた

風花が 新しい道を行くと決めた君を 称えるかのように紙吹雪のように舞っている


君の姿がぼやけるのは

風花のせい 僕のなかにある悲しみのせい

贈る言葉をひとつも持ち合わせていない 僕は

今ある悲しみと不甲斐なさに

拳の中で爪をたて 風花の中に 立ちつくしている


アンコールもない物語の終わりに

風花が舞い 幕をひく

君の姿は もう見えない

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風花 一閃 @tdngai1

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