第12話 防衛力はゼロのエルフ戦士
「本当に…本当にいいんだな!? この得体のしれないカプセルを飲むんだぞ!? 本当にいいのか!?」
俺は手に持った3cm程の大きさの緑色のカプセルを見せつけながら、何度も障壁の前に居座る彼女に問う。
「あぁ! もちろんだとも! 私もお前達の仲間になろう! だから、早く! それを寄こすんだ!」
「ナビ…」
『はぁ…何度も言っているでしょう。 相手にマスターを騙す意図はありません。 多少興奮状態ではありますが、それは別の事ですし』
『はっはっは!! 流石は人間不信最大級の艦長! ここまでくれば慎重なのか、おバカなのか解らないでありますなぁ~!』
とまぁ、後押し&文句を言われながら小1時間程。
え? だって会ったばかりだけど? という事も言ってみたが、1号とナビが言うには信用できる人物だと確証があるらしい。
「よし、よしよし! 解った! 信じてみる事にする!! エルザ…でいいのか。 ほれ、受け取れ」
「ふっ…最初からそうすればいいだろう」
意を決した俺は彼女の手にカプセルを手渡す。
なんでもこれを飲まないとこの拠点の住人とは認められないようで、拠点に関係のない人間や他の種族は全員謎の障壁に阻まれ侵入を制限されるらしい。
という事は、ある種…完璧な防犯対策なのではないかと思う。
バタッ!!
「…はぁ。 やっぱりか」
緑色のカプセルを飲んだエルフの戦士こと、エルザはその場に倒れると気を失った。
「本当に大丈夫なんだろうな?」
『えぇ、問題ありませんよ。 何故だか解りませんが”以前”とは違って”毒素”の反応がひとつもありませんでした。 これはアレの改良型と言っても過言ではありませんね!』
「まさか異世界の…それまたエルフの女性にお手製の”バイオチップ”を飲ませるとは…しかし、これでエルザは俺達の拠点の一員になったわけだよな?」
『えぇ。 こちらをご覧ください―――住人が1人増えたお陰で、あるデータの閲覧が可能になりましたよ』
「あるデータ?」
ピコンッ!
すると目の前には見た事のない画面が出現した。
―――エルザ・サイロセロス―――
拠点適正値
最高 S ➡ 最低 Eランクと表記
拠点防衛力:B
【呪いの効果により敵が分散する恐れがあるので注意。 攻撃力はかなり高い】
ビルディング:E
【かなり不器用、改善策無し】
発展力:B
【狩りに長けており、食料確保等に最適である。 農業知識もあるので拠点内での農作業に向いている】
―――――――――――――――――――――
とご丁寧にも拠点適正値というものが表示された。
所謂ステータス的なものなんだろうか? というか、農業の知識もあるのか…エルザは。
他にも見てみるか。 例えば俺とか―――
――――須藤
拠点防衛力:A
【自己の防衛力は無いに等しいが、指揮能力が高く戦闘を優位に進める事が可能】
ビルディング:B
【作業効率は中の中程度。 専門家には及ばないが、基本的な物はほとんどクラフト可能】
発展力:C
【拠点拡張能力の代償として、収集能力等は最低なので素直に他のメンバーに任せるのが吉】
――――――――――――――――――――――
なんとも評価の割に散々な言い方である。
こうやって見ると俺の評価はなんとも中途半端なもので、本当にこの3人だけでやっていけるのは不安になって来た。
ただ、やはり…エルザが仲間になった事はかなりの収穫だったと言える。
さて、最後は…
――――――1号~スタンダートフレーム~―――――
拠点防衛力:C
【万能型量産機なので、それなりの防衛力を誇る】
ビルディング:B
【作業効率は中の下程度。 基本的な物はほとんどクラフト可能で万能】
発展力:E
【拠点内作業に絞れば Bランク程度、しかし外出不可なので論外である】
―――――――――――――――――――――――
恐らくこの中で一番ある種、めぐまれている奴と言っても過言ではない性能をしているのか…こいつは!! いや、しかし…なんともまぁこの文を書いた誰かさんは一回貶さないと満足しないのかよ! チクチク、チクチクと!!
「が…とりあえずは、拠点の拡張。 まずは…アレが起きるまで家を作らないとな」
『おや? いいんですよ? 2人小さな屋根のしたでズッポ――――』
とりあえずナビの音声を暫くミュートしておくことにした。
「よ~し! がんばるぞぉ~!! 1号! 手伝え」
『おや? 仕事でありますな! お任せ下さいであります!』
残す所、襲撃まであと3日―――果たして彼らは無事、拠点防衛を達成する事が可能なのか…
―――――――――――――――――
人間×ロボ×エルフ=3人? だけの拠点防衛が…はじまる!
ちなみに、障壁はマジで人を通さないので鎖国も鎖国
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