私、スラム街の救護活動をお手伝いします

コンロ作りのために下町に来た私は今、鍛冶屋を探して歩き回っている

すると、見覚えのある顔が見えた、


クリスリア「あれって、エレンよね?」


フードを被っているし、普通にここで売られているような服を着ていてわからないが、フードの中にあった顔は、エレンそのものだった

多分、話に出ていたスラム街の救護活動だろう、私は後をつけていき、下町の外れ、スラム街へと足を運んだ


エレンはスラム街に少し大きな施設を建てていて、そこで食事を作ったり、病気の治療を行っていると聞いている


施設にエレンが入っていくと歓声が巻き起こる、そりゃね、スラム街の救世主みたいな物だしね...せっかくだし、一応今は婚約者、お手伝いくらいしに行きましょうか

建物に入るとエレンに驚かれたような表情をされる


エレン「えっ...クリア!?」

クリスリア「街へ来ていたら、あなたの姿が見えたので、ついてきちゃいまして...

お手伝いできることがあれば、やりますよ」

エレン「ふーん...それは家族は知っているのかい?」

クリスリア「...あはは、触れないでいただいて...」

エレン「何をしていたのかは知らないけれど、ちょうどよかった、手伝ってくれるのならありがたいよ、君のような優秀な回復術師がいれば心強い」

クリスリア「わかりました、お手伝いさせていただきます」


私は、施設内の診療所に通され、病室を見せられた

おかれているベットはとても清潔、それが二十数個もある部屋が数個並んでいる診療所の病室

ベットの上で苦しそうにしている大勢の人の姿に絶句する


クリスリア「こんなにたくさん...」

エレン「僕達にとってはなんてことのない病気でも、彼らは治療を受けるお金も、薬を揃えるお金もない」

クリスリア「...」


こんなかわいそうな人達を見て、いても立ってもいられない私は、すぐにみんなの方へ駆け寄り、一人ずつ治療を施した、

治療を施してあげると、みんな揃って感謝の言葉を私にくれた、その人の家族からも同じく感謝をしてくれた


クリスリア「ちゃんとお礼ができて、本当にいい人達ばかりですね」

エレン「あぁ、こんな人達がきちんと幸せになれる社会を作り出したい、これはその第一歩」


この人は本当にいい人だ、この国に住む人すべてが、等しく幸せになってほしいと本気で思っている、ダメだ、心が揺らいでしまう、私は自由に生きてみたい、けれど、この人と歩む未来だってある、

私はこんな人を裏切って逃げる計画を建てていると思うと、罪悪感でしかない

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