世界が変わる時、君が消える。

来来来

第1話 憂鬱

ミーンミーン、ザー

8月。福岡の静かな田舎の古民家。蝉の声と扇風機の音しか響かない。大学4年 橘 なおと。祖母の家で休日を寝て過ごしていた。


"ブーブー"


スマホの通知音が雑音のように耳に入る。

大学の友人、吉田からの連絡だ。

吉田「おい!お前今日暇?」

めんどくさい。暇だ。正直、暇だ。

俺「暇だけど?」


吉田「夕方から、アイドルのライブ見に行かね?」


俺「アイドル?興味無い。行っても楽しくねぇだろ。」


吉田「頼む。"動員重要"ライブなんだよ。30人来ないと、新曲貰えないんだよ!」


俺「なんだそれ。30人なんて集まんだろ。俺居なくても。」


吉田「なかなか芽が出ねぇんだよ。このグループ。でも、かわいい子しかいねぇから!まじ、新曲で、人気出るかもしれねぇし!たのむ!俺の推しのために!!俺の人生の癒しのために!まじ人生かかってる!それに、他に頼める奴いねぇんだよ。他の奴らバイトとか就職活動で忙しいらしくてさ。お前暇だって言ったよな?

今日くらい俺に時間貸せ!!」


図星すぎて何も言えねぇよ。

俺「わかった。じゃあ飯奢れ。」


吉田「任せろ👍じゃあ16時天神集合な!」


遠すぎだろ、、

俺「電車代もくれ。」


吉田「お、おう。」


身支度を終え、俺は電車に30分揺られながら憂鬱な時間を過ごした。

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