第11話

「星、何なのこれ、どうにかして!」


「透子ちゃん、っていうんだね。トコちゃんって呼んでもいい?」


「いきなりあだ名で呼ばないで」




ケタケタと声に出してんのか出してないのか、星は至極たのしそ〜うに笑ってる。腹立つ、お前の友達だろうがどうにかしやがれ。



星の後ろに隠れたつもりがヒョイっと避けられ、目の前にいるその男に両手を、ぎゅっと握られた。


…………星、まじであとでギタンギタンにしてやる。






「トコちゃん、手ちいさいね。かわいい…」




変質者に追い回されてる気分なんだけど。

てか好きってどういうこと。一目惚れてきな?



うっとりと、前面にピンクオーラを醸し出す男はもう完全にトコちゃんで定着してしまった。手遅れだ。



トコちゃんとか、初めて呼ばれたし。しかも、なんか無駄に可愛くて、無理。

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