第36話
キィ… パタン…。
「やっと、開放されたな。」
ケイは懐かしい匂いを吸い込んだ。
「ケイ、自分から進んで飲んでた癖に…。」
マオは、少し呆れ顔でケイを見上げた。
が、
「おかえり、ケイ。」
と、ケイに向き直り、逞しい体を抱きしめた。
「…ただいま、マオ…待たせたな…。」
ケイよりも少し小さいマオの髪に顔を埋め、小さく囁いた。
「ん…ケイの、においだ…。」
安心して目を閉じ、子供の様に体を預けていると、
ヒョイッ…!!
急に抱きかかえられ…ベッドに寝かされる。
「ちょ…っケイっ?!」
そう、家に帰ってきてまだ5分と経っていない。
焦るマオに、
「…愛してる…マオ、触れて良いか?」
と、耳元で囁くケイ。
「ッ!!!卑怯だ…フッ…ん。」
低い声と、耳たぶを甘噛みされた刺激で…声が漏れる。
「もう…待てねぇよ…。いいって言ってくれ…マオ」
熱い瞳に、真正面から射抜かれたマオは、頷く他に無かった。
「いい…から、ケイっ!!…キスして…。」
二ッ…と一瞬、意地悪く笑うと、ケイは荒々しく唇を貪った。
「っ!!…んんっ…」
息も吐かせぬ程、激しく…
息をしようと口を開けば…舌を絡ませ、深く進入してくる。
「ふぁ…ンンっ!!!」
くちゅくちゅ…
どちらの唾液かも解らぬものが溢れる。
唇が離れた後には名残惜しそうな銀の糸を引く。
「はぁっ…!!ケイ…っ」
荒い息を吐くマオの瞳は…ケイの激しい口付けに潤んでいた。
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