第35話
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歪んだ空間の先は、アクア・フォレストの結界の中だった。
結界の異常を感じ取ったリーズが駆けつけてくる。
「あ…リーズだ。」
「お?!本当だ。」
結界の中で、二人はリーズが息を切らしているのを見ていた。
「っ!!マオっ!!…ケイ…っっ!!」
驚いて声も出ないリーズは、その場にへたり込んだ。
そして、村人が次々と駆けつけ驚きと歓喜の声をかける。
「マオっ!!ケイっ!!無事だったのだな?!」
「あれから三月、てっきり魔獣に食われたかと…」
「良かった…二人共LOOPを見つけたの?!」
わいわいと、結界付近が賑わう中で、リーズの提案により宴が開かれる事になった。
満天の星空の下…マオもケイもLOOPの事を聞かれたり、泣き上戸、笑い上戸につき合わされたりと宴の席は遅くまで続いた…。
そんな中で、リーズとケイは久々の酒を酌み交わし、長い時の空白を埋めていた最中に、
「リーズ、一言だけ言って良いか?」
と、ケイが真剣な眼差しで切り出した。
「何ですか?…ケイ?」
リーズは少し、…嫌な予感がした。
「俺のマオに、手をだすなよ?…俺の、だからなっ!!」
にやりと嫌な笑みを浮かべ、リーズに釘を差したのだ。
「…あぁ…マオが可哀想だ…。よりによってこんな奴を…。」
大きく溜息を吐くリーズに、
「あぁんっ?!何か言ったか?!りぃずさんよぉ~…。」
と凄んでみせるケイ…。
「…貴方、もう40になるんですよっ?!」
「LOOPの中は時が止まってるんだとよっ!!俺の歳は37だっ!!」
と、星空の下、オヤジ達の声は響く…。
アクア・フォレストが静かになったのは…それから暫くしてからだった…。
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