STORM
拉麺眼鏡
排除、そして確保
「作戦予定時刻だ、行くぞ。」
その声と共に装甲車両から複数の特殊部隊の隊員らしき人物が。
時刻は深夜、降り立ったのはアメリカ南東部のとある工場。今夜ここで
テロ組織がとある人物と取引するという情報をここ最近のテロ事件を捜査していた
当局が嗅ぎ付け、そこ特例としてSWATを派遣したのだ。
隊長である人物が暗視ゴーグルをつけ、工場内へと侵入し隊員を先導する。
工場を進むにつれ、そこら中に火薬の匂いや銃の弾薬を製造する機器が置いてあり、
情報が入っているような端末もあった。
『奴らは取引するたびに取引場所をここを含めた5か所のうちのどれかに変えているようだ。今日は偶然当たったらしいな。明かりが見えたぞ。』
隊員の一人が工場の奥に見えるドアの向こうから薄い光が見えたのを確認し、
そちらへと移動した。
持っていた小銃につけてある
電灯が付いていた部屋は、既にもぬけの殻のようでただ書類や袋が置いてあるだけだった。
『クソッ!遅かったか、既に逃げられたようだ。この散らかりようは数十分前ぐらいのものだろう。』
メンバーの一人が悔しさを滲み出す。
『こちらアルファ-3。テロリストたちの姿は発見できず。だが、有力な情報になりそうな書類などは置き去りにされている。至急、回収作業をおこなう。』
と警察署本部へと無線で連絡をし、もっと詳しい情報が取れないかと
詮索してみる。殆どは取引物品の総計や予算が書いてあるものだったが、一つだけ気になるものものを見つけた。
『…デトロイト占拠だって?』
そこに書いているのは、ミシガン州区域にあるデトロイトを占拠する計画だった。
デトロイトの主要施設に爆薬を仕掛け、起爆した仲間たちと共に突撃するもの。警察のシステムもダウンさせ、SWATも即座に出せないように警察署のガレージごと爆破する。このテロ組織は世界を股にかける犯罪集団として、その組員は推定
30万。街になだれ込まれれば、民間人ごと警察も皆殺しにされてしまうのは容易に想像できた。
そして特にまずいのが、デトロイトの工場の集中破壊である。デトロイトの自動車産業はアメリカの四分の一を占めており、これが破壊されてしまえばアメリカの輸出産業や車業界、あげくは世界中も打撃もうけるだろう。
『これはまずいな…本部に報告せねば。』
隊員の一人はその文書をジップロックにしまってから自身の荷物入れへとしまい、
他の隊員たちと書類の回収を行った。
『今回もいなかったか…本当に正しい情報なのか?』
『間違いないはず。わざわざ国内に
そう、痕跡がある割には人の気配がまったくしない。デコイを
置かれたとしても、プレデターの偵察を騙せるはずはないのだ。
証拠品を回収し終わったのち、部屋から出て警戒しながら建物から出ようと
すると、天井から何か落ちてくる。
『
一時的に音と光で視界が奪われ、暗視ゴーグルを外して天井を見る。
そこには複数のアサルトライフルを持ったテロ組織の組員の姿が。
『待ち伏せだ!奴ら、わざわざ天井裏に隠れてやがった!』
即座に天井へと乱射するが、その前に銃で撃たれ倒れる仲間。
銃撃をやめている間に天井裏から続々と敵がやってくる。なんとか仲間を
介抱しながら脱出しようとするが、ほとんどが敵の凶弾に倒れていった。
間一髪でなんとか一人だけ工場から脱出し、装甲車へと戻ってドライバーに
車を発進させようとする。
『早く!工場から離れるんだ!』
運転席を叩くも、そこにいたのは頭と心臓を撃たれて絶命していたドライバーの姿だった。
絶句している暇もなく、背後から頭に硬いものをぶつけられたような感覚。
その後、一つの銃声と何かを貫く音が聞こえた。
「…通信が途切れました。」
警察署の通信室で、作戦の失敗を報告するオペレーターとそれを聞く男が一人。
「だが、そこで取引していたのは事実だったわけだ…日が明けたら奴らはあそこ
から撤収しているだろう。だが死体を処理するほどの暇はないはずだ。明け方に
工場に鑑識を送り込む。テロ組織の情報を懐に隠し持っているやつがいるかもしれん。」男は命令を下し、一杯の白湯を飲んだ。
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ということで、今回からは本格的な何か特殊部隊系のドンパチものをやらせていただきます。あっちのほうがスランプなので一旦こっちをさせていただきます、それでは、
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