異常
@lume_re2024
悪夢
気付けば、最近新校舎になった和モダンの中学校内にいた。
広く大きな廊下の真ん中に、私は立ちすくんでいた。
相変わらず、校舎の反対を行く治安の悪さであり、知能は比較的低く、授業が開始されるまでは騒がしかった。
コンビニの前に集る不良の様に、教室の前に腰掛けていたり、用がある以外は入ってはいけないという規則があるのにも関わらず、隣のクラスに勝手に入っていたり、また、動物園並みに、耳に劈く会話が左から右へを縦横無尽に駆け巡っている。
この空気が、私にとって一番大嫌いで退屈だった。
私は、学校内もクラス内の規則も正しく守っているというのに、彼らはすぐ破りたがる。女子はスカートの丈を短くしたがるし、男子は夏でも無いのに上着を脱いでシャツのみになったりと、やりたい放題の彼らに毎日腹が立っていた。
なのに、彼らは更にカースト制度を作った。私のような真面目な層を下層にして見下すのである。
授業中も動物園並みに、先生の説明を遮って、私の聞く耳も黒板を見る目までを邪魔してくる。
途中、彼らは私の筆箱を勝手に取り上げて、中身をわざとらしく臭いを嗅いでは、私に聞こえるように「クッサ!笑」と言って、笑いながら雑に返した。
残念な事に、私も含めて中学一年生の頃の話であり、彼らは世の中を舐め切っている。
私は我慢の限界だった。
授業中だが、気の済むまで、椅子も机も何もかも彼らに投げた。
幼い頃から物を大切にする、この私が授業中に暴走した。
――チュン、チュン……
嗚呼、知ってはいたが、これは何度も見た悪夢だ。
私は、未練で未解決のままになった過去の出来事を、脳は映画の様に面白可笑しく映像化するのだ。
もう大人なのに、嫌な記憶を何度も何度も繰り返すこの馬鹿な脳は、私の精神の成長を更に止めようとする。そして、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の私は、侵入思考とフラッシュバック、悪夢の症状は今も続いている。
変な話だが、併発している他の疾患の所為か、猟奇的な内容の思考と感覚麻痺がある。こんな状態の私を、母親は今でも『大丈夫、普通だよ。』と言うのだから、味方は居ない。
そして、神様はいない。
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