第7話・お風呂へGO!


「みっちゃん!」


「あ、そこにいたッスかー!」


「あれ? あの服って……」


「あらら~?」


お姉ちゃんたちの声に振り向くと、

そこには……


あおいお姉ちゃんを始め、みんな、

白衣に身を包んでいて―――


「わぁ……!」


思わず声を上げてしまう。


生まれ変わったから、顔立ちとかは

変わったけど……

そのお姉ちゃんたちの姿を見れば、

昨日の事のように思い出せる。


「お姉ちゃん……っ」


駆け寄って抱き着くと、葵お姉ちゃんが

優しくボクの頭をで、


「前の世界に戻ってきたみたい……!

 みっちゃん、黒髪黒目だし、その格好

 ホント久しぶり」


「あの時のみっちゃんッスねえ」


「ああ、懐かしいのである……」


「わたくしたちの元に、戻ってきたん

 ですわ~」


お姉ちゃんたちは順番に、ボクを撫でたり

抱きしめたりしてくれる。


それがたまらなく嬉しく―――


「あ、そうだ!

 みっちゃん!」


ふと、詩音お姉ちゃんがその大きな胸を

飛び上がって揺らす。


「何?」


「実はね~、ここ、お風呂もあるのよ。

 覚えてる?

 患者さん用の大浴場」


そういえば、ボクが入院してから3年後

くらいかな?

個別じゃなく、大きなお風呂が

出来たんだっけ。


「そーそー!

 あるんだよ、アレが!」


「これから入りに行こうと思って、

 みっちゃんを呼んだッスよ~」


「疲れただろうし、体もそれなりに

 汚れたからな。


 みっちゃんも入るだろ?」


「ウン!!」


ボクが元気よく返事をすると……

お姉ちゃんたちも笑顔になった。




「あ……えっと、えっ?」


10分後―――

ボクは大浴場の浴槽につかっていた。


お姉ちゃんたちと一緒に。

当然、みんな裸で……


男湯と女湯に分かれているから、

そこで別々に入ると思ったんだけど、


なぜかお姉ちゃんたちは脱衣所まで

ついてきて……そして脱ぎ始め、


目のやりどころに困ったボクは、顔の半分まで

湯船に体を沈めるも、


ボクを囲むようにお姉ちゃんたちは

密着してきた。


「あの、葵お姉ちゃん?」


「ん? なーに?」


まるで何でも無いかのように返して来る。


「あー、そういえば裸の付き合いは

 前世では無かったッスねえ」


「当たり前である。

 あったら事件なのである」


加奈お姉ちゃんと理奈お姉ちゃんが笑い、


大きなおっぱいをお湯に浮かせた

詩音お姉ちゃんが、ボクの濡れた髪を

いじりながら、


「前世ではガマンしてましたもの~。


 モラルとか法律とかいろいろと……

 でも、ここは日本じゃありませんし

 別世界。


 こういう事をしても、怒られませんわ~」


詩音お姉ちゃんの手がお湯の中で伸びて来て、


って、えっ!? ど、どこ触って……!?


それで背中に電流が流れたように、ビクンと

反応してしまい、


「きゃうっ」


思わず出てしまったボクの声を聞いた

4人は、その目を妖しくゆがませ、


「きゃう♪ だって!

 可愛いッスー♪」


「ダメだ……どんなASMR音声より

 効くのである」


すると、葵お姉ちゃんがボクに顔を近付けて、


「い、嫌なら無理にするつもりは無いよ。

 お姉ちゃんたちの事……嫌い?」


ボクがブンブンと頭を左右に振ると、


「それは質問になっていないわよぉ~、

 葵ちゃん。


 あぁでも、わたくしもそろそろ

 ガマンの限界……」


そう言いながら詩音お姉ちゃんの顔は

赤らみ始め、


「あ、そういえばみっちゃん。

 こっちの世界では、もうシたッスか?」


加奈お姉ちゃんに、ボクは首を

フルフルと振る。


「え、えっちな事は、まだ……


 今回、領主様に献上される時も、

 『まだ未経験です』みたいな説明付きで

 出されたので―――」


ボクが答えを言い終わる前に、


「よっしゃああああーッス!!」


「前世から待った甲斐かいがあったというもの。

 今度こそ頂かせてもらうのである……!」


加奈お姉ちゃんと理奈お姉ちゃんが、

何か気合い? みたいなものを入れて、


「ん……っ!? んうぅ……♪」


その途端、葵お姉ちゃんのくちびるでボクの口が

ふさがれ、


「あ、葵先輩。

 みっちゃん立たせてもらえないッスか?

 このままじゃ水の中でする事になるッス

 ので……」


「ファーストキスより先がそれでいいので

 あるか?」


「いやー、前世の就寝確認とかで上も下も

 済ませてあるッスから」


「おまわりさ~ん! この人です~!!」


そんなお姉ちゃんたちの声を聞きながら、

ボクはされるがままに身を任せた。


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