第9話オーディション

真希は、ある大きなオーディションを向かえていた。


控室には、美少女ばかり。


真希は明らかに浮いていた。


五十嵐は、真希に一番目立ってますよと言われてオーディション室に入った。


オーディション室には監督のしょんぼりしたおじいちゃん一人だった。


「桜庭真希ちゃん。」


おじいちゃんの目が光った。


「君に決まり。」


と言われ真希はドキリともしなかった。


「は?」


「だから、主人公、桜庭真希ちゃんね!」


「はぁ~。」


真希の事務所は特に大きい事務所ではないが有名な女優が揃っている。


五十嵐は、オーディション室から出て来た真希に土下座をしながらどうでした?と聞いて来た。


「あぁ、主役になりました。」


「やっぱり!おめでとうございます!」


わたし、何もしてないんだけど。


オーディションが終って午後から学校に真希は行った。


「社長出勤だな?」


と窓際で弁当を食べている健に言われた。


「オーディション。」


「で?結果は?」


「主役に決まり。」


「あ、そう。たまには野球部に顔出せよ。」


何でわたしがと思ったが暇なので放課後グラウンドに真希は行ってみた。


懐かしい。


舞と操が一生懸命、練習している選手達を鼓舞している。


健が真希に


「ロード付き合ってくれよ!」


と言って来た。


真希は、仕方ないと健の背中を自転車で追いかけた。


「健!甲子園行けそう?」


「あったりまえよ!」


「自信過剰。」


「俺が投手なんだ。1点もやらね〜よ!」


懐かしい。中学生の時を真希は、思い出して泣きそうになった。


いつも、眩しい健の姿を追いかけてた。


真希は、自転車のブレーキをかけた。


「どうした?」


健が、不思議そうな顔で真希を見ている。


「健!がんばれ!」


と真希は、言って自転車で帰ってしまった。


健は、ただ呆然としていた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幼馴染みが女優になりまして 起き上がる @ken3130

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ