復讐

NAGISA

第1話

慎司 「桜ちゃんは死んだ、いや殺されたんだ」

今日僕はその言葉を聞くとは思ってなかった


10hほど前


(今は夏休みだ、親がいない僕はいくらゴロゴロしても怒られない,だけどなんか忘れているような)

山咲 「モヤモヤするな〜なんだっけな〜」

桜 「おーい渚、起きてるか?起きてるなら顔出せ〜」

山咲 「うるせーぞ、さくちゃん、近所迷惑だっつうの」

桜 「すまんすまん、って、今日姉貴とデートでしょ、めっちゃ怒ってたぞ。いつになったら迎えに来るの?って」

山咲 「やっべ!そうだ、忘れてた…もうそんな時間?すぐ行く〜」

………

山咲 「お邪魔しまーす」

桜 「姉貴〜連れてきたよ〜」

理田 「遅いです、何分待たせるんですか?」

山咲 「ごめんリッたん,なんか奢るから許して」

理田 「早く行きますよ。じゃあ桜、留守番よろしくね」

山咲 「じゃあリッたん行こうぜ。」

桜 「お土産買ってきてね〜」

山咲 「じゃあ…どこ行く?」

理田 「まずはお昼でも行きましょう」

山咲 「なんか食いたいものでもある?必要ならバイク取ってくるけど…」

理田 「そうですね〜たまにはハンバーガーが食べたいですね」

山咲 「ハンバーガーか、一番近くて隣町の駅前だから、よし!バイク取ってくるわ」

理田 「わかりました、急いでくださいね」

そうして僕は家までバイクを取りに行き、リッたんを乗せて駅前のハンバーガー屋まで向かった

山咲 「リッたんって学校で猿どもから告られたりするの?」

理田 「猿は酷すぎますよ、でもふつーにされますよ全て丁重にお断りしてますけど」

山咲 「断ってるの⁉︎」

理田 「当たり前じゃないですか!私の彼氏はナギくんだけです…」

山咲 「………なんかすまん」

理田 「なんで謝ってるんですか?逆にナギくんは告られたりしないのですか?」

山咲 「まあ、されないね、そもそもリッたんとさくちゃん以外の女子と、あんまり喋んないからね」

理田 「ところでナギくんは将来の夢とか決まってるんですか?」

山咲 「さぁな、勉強せずに楽しく体を動かして幸せに暮らしたいな」

理田 「なんかナギくんっぽい回答ですね」

山咲 「そう言うリッたんは何になりたいの?」

理田 「慎司さんみたいな警察官ですかね?」

山咲 「なんか複雑」

理田 「なんでですか?」

山咲 「だってそうじゃん身近に警察官が2人いるんだよ、でもまぁ具体的に決まっているからいいんじゃない、リッたん頭もいいし、でもまぁどんな夢度も僕は応援するよ」

理田 「ありがとうございます、頑張ってみようと思います」

そんなたわいもない雑談をしながら僕たちは隣町のハンバーガー屋へ向かったのであった

………

山咲 「よし着いた」

理田 「じゃあハンバーガー、奢ってください」

山咲 「ちぇっ…覚えてたのかよ」

理田 「当たり前です。まさか約束を破るつもりじゃないよね?」

理田 「な・ぎ・さ・くん? 」

山咲 「謹んで奢らせて頂きます」

………

山咲 「で、リッたんは何食うの?」

理田 「私はチーズバーガーとジンジャーエール、ナギくんは?」

山咲 「俺もチーズバーガーでいいか」

理田 「じゃあそれでお願いします、あ…持ち帰りで」

店員 「かしこまりました…810円です」

理田 「わかるよねナギくん?」

山咲 「分かっているよ」

………

そして僕たちは商品をもらい近くの公園で食べることにした

山咲 「あー失敗したな、持ち帰るならドライブスルーにすればよかった」

理田 「美味けりゃなんでも良いです良いです」

山咲 「それもそうか、ご馳走様よし食ったら行くぞ」

理田 「ご馳走様、美味しかったです」

山咲 「よかったな、ちょい待ち親父から電話だわ、もしもし」

慎司 「よう、理田ちゃんとのデートは楽しいか?」

山咲 「まあ楽しいよって言うか今大丈夫なの?」

慎司 「まあな、でもこのままいけば明日は帰れるかもな」

山咲 「まあ期待しないでおくよ、命大事にな」

慎司 「じゃあな、楽しんでこいよ」

山咲 「あぁ…」ガチャ

理田 「優しいお父さんですね」

山咲 「まぁ約束だからな、毎日電話はするって」

理田 「じゃあ行きますかどっか遊園地にでも連れってってください」

山咲 「わかったよ、じゃあ早めに乗れ、雲行きが怪しくなってきた」

そして僕たちは遊園地で遊びまくったが…

山咲 「やっべ…思ったより降ってきた」

理田 「どうしますこのままだと2人揃って、ずぶ濡れですよ」

山咲 「お前、俺のカッパ着ろ」

理田 「でも…それだと…」

山咲 「気にすんなって、俺は丈夫だけが取り柄だ、それに死ぬわけじゃねえ」

理田 「そうですね、じゃあ帰りましょう」


そして僕たちは急いで帰るのであった…


理田 「ナギくん、今日、家に泊まってってください。デートとかっぱのお礼です」

山咲 「なんかごめんね、今日、色々と付き合ってもらって」

理田 「また誤ってる、ナギくんの悪い癖です、しかもデートですから付き合って当然です。」

山咲 「それもそうか……よし着いた、バイク置いてくるわ」

理田 「逃げないでくださいね」

山咲 「別に逃げないよw」

………

理田 「ただいまー、桜〜タオルタオル」

山咲 「お邪魔しまーす」

桜 「おかえり、雨大丈夫だった?警報出てたよ、って渚ずぶ濡れじゃん、はいタオルお風呂沸いてるから、入っていいよ」

山咲 「あざす、お言葉に甘えさせて入らせてもらいます」

理田 桜 「いってら〜」

桜 「姉貴もナギと一緒に入ったらw?」

理田 「じょーだん言わないの」

桜 「さーせん」

理田 「じゃあ晩飯作るわ」

桜 「いいよ、疲れているだろうし」

理田 「でもこのぐらいはしないと」

桜 「ありがと」

………

山咲 「お風呂ありがと、あれ?さくちゃんは?」

理田 「醤油と洗剤買いに駅前のスーパまで、行きましたけどなんだか遅い気がします、しかもスマホ家に忘れていて」

山咲 「まぁ、あと5分もすれば帰って来るっしょ、リッたんもシャワー浴びたら?風邪ひくよ」

理田 「そうします、じゃあ桜が帰ってきたらご飯食べましょ」

山咲 「ご飯までありがと」

理田 「じゃあ行ってきます」

そう言って理田は風呂場へと向かった、だが桜は15分経っても帰ってこなかった。

………

理田 「遅いですね」

山咲 「雨も弱まって来たしバイクで、ちょっと駅の方まで探してみるわ」

理田 「わかりました」

山咲 「インカム持って行くから帰ってきたら電話して」

理田 「いってらっしゃい」

そうして僕はバイクを走らせて桜を探した、だがどこにもいなかった

山咲 「あいつどこ行きやがった、こっちは腹が減って仕方が無いっつうの」

そうして探すこと30分、休憩ついでに、ガソリンスタンドでバイクにガソリンを入れてる途中、僕のスマホが鳴った、相手は親父だった

山咲 「どうした親父」

慎司 「今、理田ちゃんと一緒か?」

山咲 「いいや違うけど」

慎司 「なら今すぐ彼女を署に連れてきてもらえるか、できればお前と一緒に、今すぐだぞ!」

山咲 「お…おう」

そして僕は言われた通りにすぐに、家に戻りリタを連れ警察署に向かった

………

そして警察署について出迎えてくれたのは親父の部下の中村龍さんだった

中村 「やあ渚くん、それに理田ちゃんであってる?」

山咲 「久しぶり、龍さん」

理田 「初めまして赤谷理田です」

中村 「こちらこそ、初めまして高町署の中村です」

山咲 「なんかあったんですか?いつもとは違く真剣ですけど、」

中村 「まぁ仕事中だからね」

そうやって話していると僕たちは会議室みたいなところへ通された

中村 「先輩、連れてきましたぜ」

山咲 「おい、親父いきなり呼び出しといてどうしたんだよ」

慎司 「お前は一回下ってろ、理田ちゃん家に桜ちゃんいる?」

理田 「いいえ1時間ぐらい前にお使い行ったきり帰って来てないですけど」

慎司 「やっぱりか」

山咲 「なんなんだよ、早くここに連れてきた理由を教えろよ」

慎司 「はっきり言おう桜ちゃんは死んだ、いや殺された。ナイフで滅多刺し」

その言葉を聞いた瞬間、理田は膝から崩れ落ちて気絶してしまった

山咲 「おい!しっかりしろ、おい」

慎司 「中村!救急車だ」

中村 「わかりやした」

………

理田 「ん…」

山咲 「おっ、気づいたか、調子どうだ」

理田 「大丈夫、ここどこ、どのぐらい寝てたの?」

山咲 「警察病院っていうところらしい、大体3日ぐらいは寝てたな」

理田 「桜は?桜は本当に死んだの?ねえ、答えて!渚くん」

山咲 「あぁ、確かに桜は死んだ、紛れもない事実だ、」

理田 「なんで元気なの?親友でしょ、友達の死ってそう簡単に受け入れられるの?」

山咲 「見たからね、あいつの遺体を、まだ心残りがありそうな顔したまま、眠っていたよ」

理田 「なんで?なんで桜は殺されなきゃいけなかったの?誰に?ねぇ知ってるなら答えて」

山咲 「それを言ってお前はどうする」

理田 「……す」

山咲 「は?聞こえねーよ」

理田 「殺す、桜を殺したやつを見つけて桜よりもっと酷いやり方で殺す」

山咲 「お前、何言っているのか分かっているのか?」

理田 「いいから犯人の情報を言って、どうせ慎司さんから聞いているんでしょ?」

山咲 「わかった言うよ、ただし条件がある」

理田 「何ですか?」

山咲 「俺は犯人探しには協力するが殺しには加担しない、そして夏休み中に自分の手で解決しろ」

理田 「わかりました」

山咲 「今外に居るのが龍さんだから、そいつに呼んでくる」

………

山咲 「頼む理田に犯人の情報を言ってくれ」

中村 「被害者の遺族に犯人の情報なんて言えないよ」

山咲 「あいつの目は本気だ、だから頼むよ龍さん、」

中村 「でも〜先輩にバレたら」

山咲 「こっちもなんか分かったら言うから」

中村 「も〜、先輩には黙っててくださいね」

山咲 「ありがとう龍さん」

………

中村 「近くの防犯カメラに映っていた犯人の特徴は身長175〜180センチの男、右足を引きずっている、のみ」

理田 「ありがとうございます」

中村 「で、どうするの?」

理田 「見つけます!」

中村 「え?」

理田 「自分の手で捕まえて、桜の敵を討ちます」

中村 「はぁ〜、敵討の話は聞かないことにするから、なんか分かったら言って。」

………


そうして僕たちはこの街の住人に聞き回り、その特徴に当てはまる奴を見つけた、


山咲 「龍さん、そっちもこいつの名前出てきましたか?」

中村 「あぁ、『神戸慎太郎、(カンベシンタロウ)』元SATの隊員だ。三ヶ月前に訓練中に足を負傷その後退職してる」

理田 「こいつが桜を殺した犯人」

中村 「かもな、俺たちも神戸にアリバイの有無を聞きに行った、そして奴にはアリバイは無かった」

山咲 「まじか」

中村 「こっからは俺の独り言だ、令状が降りたから明日の6時に、俺たちは家宅捜索に出る」

理田 「えっ」

山咲 「それまでに決着を付けろってことか」

中村 「ただ5体満足で返せよ」

理田 「流石に殺しはしませんよw」

………

そして僕たちは『神戸慎太郎』の家に向かった


山咲 「良いのか、あんな嘘ついて、お前殺す気満々だろ」

理田 「当たり前です元SATだかなんだか知りませんが絶対に生きて返しません」

山咲 「分かった、そこまでなら俺も最後まで付き合うよ、彼氏としてな」

理田 「ここですかね」

ピーンポーン

神戸 「どちら様ですか〜」

理田 「私、赤谷理田って言います…先日起きた女子中学生殺害事件についてのお話を聞かせてもらえませんか?」

神戸 「で…隣は?」

山咲 「山咲渚と申します、父がお世話になってます」

神戸 「山咲?あぁ、あの刑事の息子か?」

山咲 「はいそうです」

神戸 「で、何の用?」

理田 「単刀直入に聞きます、妹を殺したのはあなたですよね」

神戸 「え…そうだけど、それがどうしたの?」

理田 「なぜ妹を殺したのですか?」

神戸 「簡単だよ、むしゃくしゃしていた所に1人でか弱そうだったからサンドバックとさせてもらっただけだよ」

理田 「………だな」

神戸 「聞こえねーよ」

山咲 「お前、クズの極みだな、本当に元SATか?」

神戸 「なんだと、」

山咲 「当たり前だよ、お前みたいな奴がSATいや、警察組織にいちゃダメなんだよ」

理田 「なぎくん、ありがともう良いよ…こいつには何言っても通用しない、やっぱり殺さなきゃ」

そう言って理田はポケットからナイフを取り出しそれを神戸に突き立てた

理田 「ぜっったい殺す」

神戸 「お前にできるのか?」

そう神戸が言った瞬間、理田は神戸に向かって走って行ったが………

理田 「えっ?」

神戸は理田の手からナイフを奪い馬乗りになった

神戸 「仮にも俺は元特殊部隊の隊員だそれも実戦を受けたことがある、これだから素人は弱いんだよ、」

そうして神戸は理田に向かってナイフを振り上げた、



グサッ



そのナイフは理田ではなく僕の肩に刺さった

理田 「え…な…なぎくん?なんで」

山咲 「へへっ、これでもお前の彼氏だ、彼女ぐらいは守れない…とな……」

神戸 「ちっ邪魔が入ったか」

神戸はそう言ってナイフを僕の方から抜こうとしたが

山咲 「もう少しで仲間が来るんだ、だからそれまでは一歩も動かせない」

中村 「神戸、動くな警察だ」

慎司 「神戸慎太郎、お前を傷害の容疑で現行犯逮捕する」

神戸 「ちっ」

慎司 「中村、神戸はパトカーにのせろ、後救急車を一台よこせ」

中村 「わかりました」

山咲 「理田、お前はこれで満足か?」

理田 「うん…」

山咲 「なら…よかっ…」


ドサッ


そうして僕は倒れた

慎司 「出血がやばいな、中村、救急車はまだか?」

中村 「もう来ると思います、」

理田 「なぎくん、しっかりして、なぎくん!」

………

山咲 「ん…」

理田 「おっ、気づきましたか?、調子どうですか」

山咲 「多分大丈夫、ここどこ、僕はどのぐらい寝てたの?」

理田 「警察病院っていうところらしいです、大体7日ぐらいは寝てましたね」

山咲 「なんかそのセリフ聞いたことがあるな」

理田 「私が病院で起きた時なぎくんが、言ってくれました」

山咲 「まぁそんなことはいいや、神戸はどうなった?」

理田 「殺人と傷害で逮捕されました」

山咲 「お前はどうなんだ?スッキリしたのか?」

理田 「なんか桜は本当に死んだって感じがします、」

山咲 「受け入れられたならよかったな」

山咲 「あいつ前言っていたんだ」

桜 「もし私が死んで、姉貴が道を外れそうになったらお前が戻して、支えてやってくれ、親友からのお願いだ」

山咲 「って、だからお前は復讐なんかしてはいけない、一番あいつがそんなこと望んじゃいない」

理田 「桜がそう言ったならそうですね」

一ヶ月後

………

山咲 「リッたん起きろ、飯だ」

理田 「やだ〜まだ眠いです〜」

山咲 「今日はさくちゃんの墓参りなんだからしっかりしろよ、あいつ天国で見てたらがっかりするぞ、もしかして幽霊になって出てきたりなw w w 」

理田 「幽霊!?」

山咲 「嫌だったら食え」

桜 「あ……う」

山咲 「え!?」

理田 「ナギくんどうしました?」

山咲 「一瞬さくちゃんの声がした」

理田 「え…怖…」

山咲 「いや絶対聞こえたって」

桜 「渚…ありがとう…姉貴を戻してくれて…これからもよろしく…」

山咲 「めっちゃ喋った!」

理田 「なんて言ってたんですか?」

山咲 「ありがとうって」

桜 「姉貴…私は大丈夫…だから…渚を信じて…」

理田 「桜!?」

山咲 「さくちゃん、わかってる、約束守るよ、だからゆっくり休め…」


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