『怪獣 ジセーのクー』 下の下の7


 赤地警部に、本部から指令が飛んできたのである。


 『なんですと? 帰れ? ばかな。そんな指令があるわけがない。大量殺人事件ですよ。しかも、未知の怪獣によるものです。わ!…………そんなに怒鳴らないでくださいよ。じゃ、どうするんですか? なんですか? はい? 終息する。ばかな? 話が付いたあ?……え? くび?  あ、あら。切れたよ。』


 荒川博士は、興味深げに、警部を眺めていた。


 『なんですかな?』


 『いやあ。意味が分からん。すぐに、帰れ。と。事件は終息した。と。話が付いたから。とか。従わなければくびだ、とか。』


 『宮仕えは苦しいですな。ダイジョブです。あなたは、あの石頭の刑事さんをつれて、大島からお帰りください。おらは、さらに、追及する。あなたは、裏から支えてください。こりゃあ、大物が動いたに違いない。えらいことになりますぞ。人類は、新しい時代を迎える。』


 『というと?』


 『まあ、思うに、クーというやつは、思ったよりずる賢いようだ。地球の支配を狙ったようだな。あなた、大変な立場になりますよ。覚悟が必要です。人類を守るか、怪獣に荷担するか? あ、まずい、娘からだ。』


 『お父さん、なにやってるの。早く帰りなさい。首にしますよ。』


 『分かった。一旦帰るから。はははははは。心配するな。分かったから、怒鳴るなって。』



 多くの人類がなにも知らないなかで、何かが起こっていたのである。



      次回、最終回。 😱












 


 

 

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