14日目3 狼男
もはや手を出すまでもないほど急ピッチで陣地工事が進む様子を『
うーむ。
さすがは1万人以上の市民を擁する生存者コミュニティには本職が多数存在しているらしく、壮年の自衛官の指示通りに見事な土木建築能力を発揮しているな。
…それにひきかえ、コッチはタレット
うん。いずれちゃんと再構成を検討しよう。
というか実際『討伐ポイント交換タイム』で出来合いのゲートを検索したところ、「校門用ゲート」というそのまんまの名称で掲載されていたので、これは間違いなく校門なのだろう。
まあ頑丈ならばとりあえず文句はないのだが。
「ご飯だよ~」
お、もうそんな時間か。
たしかに『
本日のラインナップは…いやぁ、言葉もない。
まずは、
ナイフを入れた途端にホロリと崩れる肉の食感も見事ならば、口に入れるや肉繊維の間からワインとソースの旨味が染み出し…トマトとブイヨンの重厚感のあるまろやかさには玉ねぎやセロリの香ばしさも微かに主張して。
なにより全てが絹のように滑らかな舌触りで感動的である。
これとバターライスだけでも十分豪勢な晩飯として完成しているというのに、デミソースは並行して調理されたハンバーグにもたっぷりと投入されていて、こちらも玉ねぎをじっくり炒めて味を引き出した厚手の肉感にくわえて…かぶりつくとジュワっと染み出す肉汁がこれまた暴力的に美味い。
しかもお料理ギャルの追撃はこれでもやまない。
ダブル濃厚ソースの合間に箸をつける紫キャベツの
極めつけは、わざわざ一度
…いやはや、いやはや。
どれもこれも見事なる味わいであるが、それ以上にこれほどの…家庭の食卓を超えたビストロ空間を俺と二人で過ごすために
あー美味い(結論)
おかげでワインを傾ける手も止まらんし、そのワインも始めは肉料理に合わせて
…え、酒飲んでいい気分になってる場合かって?
いいんだよ!
和洋中なんでも作れるお料理ギャルが晩飯に洋食を出してくるときは、向こうも赤ワインをカパカパいきたい気分の時なんだから俺のせいじゃないんだよ。
「
ほろ酔いギャルも上機嫌でニコニコ笑っている。
うーん。
ご機嫌ギャルの笑顔を肴に飲むボジョレーもまた…いや、そもそも手伝ってるのはこちらなんだけどな。
なにしろ穂積星来の『
だから彼らには早いところ四方の防備を固めてもらいたかったので、有無を言わせず介入して前線を押し上げさせたのである。
そうでもしないと、すでに一万人を大きく超えている生存者コミュニティを機能的な防衛ラインで守ることが…
「みんな一生懸命働いててえらいけど…お風呂はあるのかなぁ~? ねぇ~、
…ふーむ。
それにしても。
俺は生存者たちの衛生環境に一理ある意見を述べるギャルをマジマジと見つめる。
「…なになに、アタシの顔になんか付いてる?」
…
だからもし…もし俺が死んでも
いざ拠点陥落の危急となれば、ベッドスペース脇の壁に備えられたハッチから非常脱出の縦穴梯子を昇らせて、タレットAPCに
そして、俺は…この俺の半生と情熱を注ぎ込んだ拠点と運命を共にする。
もう十分、プレッパーの妄執は報われたからな。
今さらもう一度拠点をイチから、それも完璧たりえない応急拠点を構築するなど億劫でならない。
だからパズルの
…訳の分からんことを言っているように聴こえるだろうが、実際自分でも訳の分かるように説明することはできない。
説明はできないが、プレッパーとはそういうものなんだ。
要するに変人であると理解してもらいたい…え、それは最初から知ってる? やかましいわ!
もちろん、俺の人生最高傑作であるこの拠点がそうやすやすと陥落するわけもないがな…!
俺はワインが魅せる謎のルビー色の夢に酔いながら、葡萄の香気よりも濃く謎の情念を立ち昇らせる。
ギラギラと怪しく光る双眸が見据えるのは、
…あの醜悪な
そうだ。大変な思い違いをしていた。
これこそが本当の
少なくとも、この東紀州全体の
そう、それはまさに
ともかく、それほどギャルのおっぱいは貴重かつ神聖なのである…(泥酔)
「…もう、夜まで待てないの?
…んえ? あんまりギラギラとおっぱいを
「はい、
むぐむぐ…ギャルの手からあーんされて食う温野菜、最高や(ご満悦)
夜。
何とは言わんが…もちろん最高や。
心も身体も乃愛の柔らかさと暖かさに包まれて、この一時に生の実感が詰まっている。
…特に身体の一部は柔らかさと暖かさだけでなく、とてもキツく…いや、何とは言わんがともかく最高や。
「あっ、
何とは言わんが…
「あっ、スゴい!
うおお!
アオオォォォォン!! (満月変身)
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