第5話 別れ
この5年の修行で、俺の目標は変わった、
自分を卑下したくないという気持ちで始めたが、
今では師匠の為に流派を完成させ広めたいという思いの方が強い
ゼノスの騎士団に入ろうとしたのもこれが理由だ。
ゼノス騎士団は、魔物氾濫の防波堤だ、そのため強い魔物と戦うことも多くなる。
強い魔物と戦うことが多くなるということは、
今よりもっと強くなれるということだ。
そうしたら流派を完成させられるかもしれない。
広める方は、、、完成させてからでいいだろ。
「それで、私たちは聖都クラウディスを経由してハウグリットへと向かいます、親御さんなどへの挨拶の為に村に寄りましょうか?」
なぜゼノスのお嬢様が領地外に出ているのかと思ったが、どうやら西の方にいる人柱貴族、ハウグリット辺境伯のところに行くためらしい。
(確かに、父さんには言ってを置かなければな旅に出ることを、師匠はまた修行の旅に出たし)
「すいません、お願いします」
「はい!我が騎士のためですから大丈夫ですよ!」
———
「父さん、俺旅に出る、アルスとアリスにも言って置いてくれ」
「!?、、、、、、、!?、、、、、!?」
村の仕事で門番をしていた、父さんはエストレアの馬車を見て、馬車から俺が出てきて、俺が旅に出ると言って計3回驚いた。
そして完全に硬直していた。
「ま、待ってくれ1回説明してくれ、お前はよく言葉足らずなんだ」
(あっ戻った)
一応事の顛末を説明した
「そうか、まずはよくやった、人助けをするなんてやっぱ俺の自慢の息子だ!」
「ありがとう、父さん」
とそこで馬車から優雅にエストレアが降りてきて、カーテシーをする。
「こんにちは、我が騎士アレクのお父様、私はエストレア・ゼノス」
「あぁ、これはご丁寧にどうも私はガロン、この村の騎士をやらせて貰っております」
「それでは早速本題に入りましょうガロンさん、先程アレクの方からも説明があった通り、私は彼を騎士にしようと思っております、それで今回はご挨拶に参りました」
所作の一つ一つが優雅で上品だ。
「それはご丁寧にありがとうございます、ですが、、その本当にうちの子でいいんですか、確かに自慢の息子ですが、騎士団の採用基準にあっているとは思いません」
ムッとしたが父さんの言っていることは、事実だ、採用基準にあっていない
自分でも思っていた。
「ご謙遜を、アレク程の剣士など見た事がありません、魔術師のランクに当てはめるのでしたら、中級にはなりますよ!なんたってあのウルリオンを倒したんですから!」
お世辞だ、俺の実力はせいぜい初級と中級の間と言ったところだ、
まぁ父さんは納得しているようだが。
「そうでしたか、アレク、、、立派になったな」
父さんは優しく笑っていた、嬉しい時の顔だ
「おーい、アレクー何してんだ?」
遠くからアルスとアリスが走ってくる
師匠に弟子入りしてから余り遊ぶ機会はなかったが今でも親友だ
村を離れる事とか騎士になった事を説明する
「そっかー、寂しくなるな、でもアレクなら絶対騎士になっても上手くやれると思うぜ!頑張れよ!応援してるぜ!」
素っ気ない言葉だったが、心がこもっていた、やっぱりアルスは元気をくれる
「そうね、絶対上手くいくわ、でも騎士団の人に迷惑かけちゃだめよ」
アリスの言葉も心が篭っていた、暖かい言葉だ
やっぱりアリスは余裕をくれる
「うん!行ってくる!」
友の別れに涙はいらない
「アレク本当に立派に育ってくれて、ありがどうなぁ、お前が立派に育ってくれて天国の、母さんも喜んでるよ。」
父さんは泣き出してた、男手いとつで俺を育てたんだ、いろいろ思うところがあるのだろう、俺も泣きそうだ
「うん、父さんも元気でね」
「あぁ」
そろそろ出発しなくちゃ、エストレアも急いでるだろうし、
俺が泣く前に、
皆を不安にさせる前に、
出発したい。
「皆またね、次はかっこいい騎士になって帰っくるから、待っててね」
「では、行きましょうか」
馬車に乗る、
皆がお別れを言っているのが分かる、
窓越しに手を振っているのが分かる、
さようなら。
俺は泣いていた
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