第4話 人柱

アストレア歴371年


俺が師匠に弟子入りしてから5年、15歳になった


入魔剣を覚えてからというもの、自分の流派で覚えることが無くなったので、

他の流派の剣術を覚えたり、

入魔剣をもっと少ない魔力で発動できるように修行したりしていた。


この5年で、俺は強くなった、師匠にはまだ勝てないが、ウルリオンをなんなく倒すようになった。


「グオオオオオオ」


「またウルリオンか」


ウルリオンは普通中級の魔術師が倒すものだが、ここら辺は初級の魔法を使える人も少ないので、よく大量繁殖する


「今度は誰か襲われてるな」


—————


魔術師のランク—魔術師のランクは6個に分けられ、下から、初級、中級、上級、竜級りゅうきゅう、竜王級、神級


初級魔術が使えれば初級、中級魔術が使えれば中級という感じ


—————

ゼノス辺境伯令嬢エストレア・ゼノスは今死を覚悟していた


「なんでウルリオンがこんなに出るのよ!」


エストレアの眼前には8匹のウルリオンがいた。


普段であれば、騒ぐことでは無いがこれで4回目である、倒したウルリオンの数は優に20を超える。


護衛の魔術師もそろそろ魔力が底をつく。

絶体絶命だ。


「こうなれば、、お嬢様様だけでもお逃げください、南西の方向に村があったはずです」


執事であり中級魔術師のアルフレッドが言う


確かに、そうすればエストレアの命は助かるだろうだが、それではエストレアがゼノス辺境伯領に帰ることが出来ない。

馬車もなくなり、護衛まで失ってどうやって帰れというのだ。


「皆が戦っているのに、私だけ逃げるなんて出来るわけないでしょ!」


そう言ったところで、急に茂みから茶髪の少年が飛び出し、ウルリオンを斬った


「剣士、、?」


ウルリオンを切れる剣士など聞いた事がない


「助太刀する!」


「感謝します!」


今はどうやって剣士がウルリオンを切ったのかなど関係ない、ウルリオンを倒さなくては


—————


ウルリオンに襲われているのは、綺麗な服を着たどこかのお嬢様だった


幸い護衛の魔術師と力を合わせて何とかウリルオンを倒せたが危なかった。


「ありがとうございます、茶髪の剣士様私ゼノス辺境伯令嬢エストレア・ゼノス、貴方様のお名前を聞いても?」


長い黒髪に青い目、それに、、人柱貴族か! ちょうどいい!


「バレル村のアレクです」

———


人柱貴族— 主人公アレク達が住んでいるエウリア大陸の中央に位置するアルレス山脈の、魔物の氾濫を防ぐための防波堤

公には人柱貴族とは言わない

だいたいが辺境伯


———

お嬢様の執事に招かれお嬢様と一緒に馬車に乗る、とても狭い


「まず先程も言いましたが、助太刀ありがとうございます、

恥ずかしい話ですが貴方様がいなければ私達は死んでいたかも知れません、

そこで貴方様に何かお礼をしたいのですが、何か望む物はありますか?」


「ゼノス辺境伯の騎士団に入れてくれ!」


自分から言おうと思っていたがお礼として叶えてくれるならこれ程いいものはない!


「貴方様程の実力でしたらこちらも大歓迎なのですが、なぜ私たちの騎士団に?」


「強くなりたいからだ!です」


今敬語を忘れているのを思い出した

処刑されるかも


「そうですかでは、よろしくお願いしますね!」


いい人でよかった


———エストレア視点

ウルリオンを倒せる剣士


これ程利用価値が高いものはそうそうない、1人でも入ればその術を教えさせることで、

今までただ時間稼ぎの為に死んでいた剣士を、兵として数えることが出来るし個としても使える

絶対に引き入れたい駒だ


自分から騎士団に入りたいと言わた時は驚いたが、戦闘バカのようだし使い易い駒になってくれるだろう


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アルレス山脈


エウリア大陸を横断する様に位置する部分とそこから南西に突出している部分がある。

その形は「幹と枝分かれした1本の枝」と表される。

一般的に横断する様に位置する部分はアルレスの幹、

そこから突出する部分はアルレスの枝と呼ばれている。

アルレス山脈にあるほとんどの山は寒冷で雪に覆われている上に、

強力な魔物が多く生息しているため、定住する人はおろか通過する者すらめったにいない。


アルレス山脈より北をエウリア北部、南をエウリア南部と言う

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