神と人柱

@amaa

序章

第1話 始まり

——————


 剣士— 戦闘中、魔術の人柱として使用される、魔力の少ない奴隷のことを指していたが、そこから転じて、剣を使う人間を指すようなった。


 ——————


 きっかけは、幼馴染3人で森の中に入った時だった。


「みんなで、森ん中行こうぜ!」


「行く!」


「え〜大丈夫なの?私お母さんから、ウルリオンが出るから入っちゃいけないって言われたよ」


「大丈夫だって、俺この前それがアレクの父さんに殺されるの見てたもん」


「!? もしかして一人で森に入ったの!?」


「そっ、まぁ来ないんだったらいいよ俺たち2人だけで行こうぜ!なっ!アレク!」


 アルスに対して僕が大きく頷くと、それを見たアリスも渋々ついてくる。

 いつもの流れだ


 森の中は、想像していたのと余り変わらなかった、視界一面には生い茂っている緑が見えるし

 、木々の隙間からは木漏れ日が漏れている


 いや想像していたのと一つ違いがある、動物の数だ。

 アルスから聞いた話では、森の中には沢山動物がいるはずなのに、森に入ってから1匹も動物がいない


「ねぇ~アルス、僕の聞いてた話と違うんだけど、動物どこ~」


「いや、前来た時はまじでたくさんいたんだって」


 疑いの目でアルスを見る、心の中ではちょっと期待してたアリスも疑いの目で見る


「あとちょっとしたら、ぜっt—! 逃げろ!!!」


 真ん中を歩いていたアルスがいきなり大声で叫ぶ


 視線を前に向けると、化け物がいた。


 僕たち3人が丸々入りそうな巨体に鬣とライオンとクマの頭— ウルリオンだ


 気づいたら逃げていた、ウルリオンを見た瞬間に、

 反射的な行動だった。


 前にはアルスがいたそして、アリスがいなかった


 アリスは完全に腰が抜けていた。


「アルス! アリスが腰抜かしてる!」


「なっ!?、、、、、、、、俺が連れてきたし俺が助ける」


 アルスは誰かに言い聞かせるように言うと、すぐにアリスの方へと走った行った


 ウルリオンはすでにアリスの目の前に来ていた


「ッ!うわあああん、だれが、だれがだずけてぇぇ」


 アルスがウルリオンに石を投げる


「かかって来い!ウルリオン!」


 ウルリオンがアルスを向き、走り出した。

 ウルリオンは遅く子供のアルスでも逃げられそうだった、、、、アルスが木に躓くまでは


「アレク!アリスを連れて逃げろ!」


 アルスこちらに向かって叫んだ、、、、だけれど僕の足は動かなかった、

今動いたら次の標的は自分かもしれない、

逃げ出したかった、

泣き出したかった、

身体が震える、

幾ら奮い立てと思っても足は動かなかった、

怖いんだ、さっきもそうだった、

自分で助ければいい物を、アルスに頼った。


 アルスがウルリオンに食われそうになっているのをただ見ていることしか出来なかった


 アリスが泣き叫んでいる、アルスがこっちに向かって何か叫んでいる、ウルリオンが一歩一歩アルスに向かって歩いている、


 僕は何も出来なかった、アリスを助けることも、アルスを庇ってウルリオンと戦うことも出来なかった。


 僕は、、、、弱かった


 ウルリオンがアルスに向かって前足を大きく振り上げた時、ウルリオンの胴体が両断された。


 両断された胴体の向こうから剣を鞘に入れた「剣士」が現れる















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