第3話

「とりあえず入りなよ。外寒かったでしょ」



確かにまだ4月半ばで体は冷えてるけど知らない男の人の家になんて入れない。



ふるふる顔を振って目を強く瞑った。



「…話は中で聞こうか。僕、寒いの嫌いだから。ほら早く」






ゴロゴロというキャリーケースを引きずる音がして目を開けると



「キャリーさんが居ない」



隣に居たはずのキャリーさんがいなかった。水玉のシャーベットカラーの…



「返して。キャリーさん返してくださいっ」



夢中でキャリーさんを追いかける。



「お邪魔します」



けど靴は丁寧に揃えてきちんと挨拶をしてから人様のお家に入ります。

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