第527話 リッカがリッカします

 さて、クレイジーギークスのみんなで集まった。

 メンバーはもちろん、私スウ、アリス、リッカ、メープルちゃん、綺怜くん、綺雪ちゃん、オックスさん、さくらくん、コハクさん、リあンさん、星ノ空さん。そしてリイム。

 11人と1匹。

 見送りに命理ちゃんも来てる。




「お久です」

「お久しぶりですー」

「久々だー」

「こんにちわです」

「皆さんおひさぶりです」

「おお、このメンバーで集まるは久しぶりだな」

「こんにちわです」

「皆さんこんにちわー」

「やあやあ」

「オイッス」

「コケー!」

「皆さん、本当にありがとう」


 最後にお礼を言ったのは命理ちゃん。――彼女はこの攻略に参加できないから。


 みんなちゃんとサバイバル出来そうな格好をしてきている。


 アリスはファンタジーRPGの冒険者とかのスカウトとか斥候とか言われそうな格好。

 でもミニスカートにタイツだから活動的な事したら中見えちゃうよ?


 リッカはクリスマスの時のオーバーオール。かわゆい。


 メープルちゃんは和服。唯一心配そうな格好――動きにくそうだけど大丈夫かな?


 綺怜くんは、ラフなジャージとシャツ。靴も履き慣れた物を履いてきていて、遠足に行く時みたいな感じ?


 綺雪ちゃんは、Tシャツとスカートの下に、長袖の服と、ズボンを履いている。いわゆる登山する女性っぽい格好だ。一般的な服を使って、ちゃんと防御力を上げている。

 お母さんプロデュースのコーデらしい。

 綺怜くんはお母さんのコーデを嫌がって自分で決めたんだとか、難しい年頃かな。


 オックスさんはどこで買えるのか尋ねたいような、探検家みたいな――インディ◯ョーンズみたいな格好にサングラス。(ちなみにこのサングラスは向こうに行ったら消えちゃって、オックスさん「うおおっ、リーベンのサングラスがっ」て叫んでた)。


 さくらくんはオックスさんの格好を可愛くしたような、半ズボン、短パン(サングラスはなし)。探検帽にはしっかりとライトがついていて便利そう。でもそのライトもたぶん転送できないで、消えちゃう。


 コハクさんは、バンダナにシャツとズボンに腰巻き。

 カリブの海でパイレーツしてそうな格好。


 リあンさんは「ユル」「モサ」っとしたワンピースにジャンパー。


 星ノ空さんは、ジーンズスカートにカラフルなパーカー。前ポケットに手を入れて、ガムとか噛みそう。

 ジーパンのボタンが木に変更されてる。


 私? 私は、学校指定の小豆色ジャージだよ。

 調べたらウチのジャージ天然繊維だったんで、これでいいじゃんってなった。なんかウチのジャージ高いなって思ったら。


 NPCさんに案内されて、小部屋に入ると、その床には輝く魔法陣のような物があった。


 NPCさんにさんが説明してくれる。


「この魔法陣みたいなのに乗ったら、惑星イズニグに行けます。転移陣です」

「イズニグのどこに転送されるんですか?」


 私は訊きながら衛星軌道から取られたイズニグの写真を取り出す。これ以上無い、完璧なマップだ。


 イズニグは東西南北的な配置で陸があって、環境は地球に似た惑星だった。


 自転とか磁場とか地球じゃないのに東西の基準はどう決めたか? 貰ったマップがそういう表示になっているので、私がそう判断した。


 東西北には大陸があるけど、南はなんというか小さな島々しかない。


 東は木々が多くて、西は砂漠で、北は氷に覆われている。


「転送される場所は、東の大陸のランダムな場所です」

「えっ、みんなバラバラになったり!? ――アリスやリッカと離れ離れになるなら、あたしゃこの層の攻略をキャンセルしますよ!?」

「そ、それは大丈夫です! 一緒に転移陣に乗るなら同じ場所に転送されます!」

「なら良かった」


 なんか、NPCさんがホッとため息を吐いた。


「では皆様、転移陣に乗って頂けますか?」


 NPCさんが言ったので、みんなで乗る。

 するとNPCさんが、バーコード読み取り機みたいな機械で私達を読み取り始めた。


「みなさん健康体ですね。転送後、転送された先に帰還用の転移陣が生成されますので、絶対に場所を忘れないようにしてくださいね。帰還できなくなりますので」

「うわ・・・・絶対覚えます」

「また帰還用の転移陣が使用できるのは、一人につき一週間に一回です。一度帰還した場合、一週間経たないとその人は使用できませんのでご注意ください――あとリッカさん、・・・・お召しになっている物が、オーバーオール以外全て合成繊維です。それからオーバーオールに金属が多すぎます。転送先でシャツも下着もオーバーオールの金具も消えて、全裸にされますよ」

「え!? なにそれ怖い――なんで?」

「金属や、合成繊維は持ち込み不能なのです」


 リッカが オロオロ していると、メープルちゃんがため息を吐いた。

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