第54話 長い解説の終わり

 終わった?終わったか?と、俺は「やったか?」という。

 フラグが立ったが、回収はされなくてよかった。


 いやー長かった。本当に長かった。


 そして、用を終えた俺たちは、サルジニルグへと転移テレポートで帰るのだった。


   ✕   ✕   ✕   ✕


 ふぃ~。

 やっぱりここ。サルジニルグ。

 実家に帰ってきたような安心感がある。


 家というよりかは、森なんですけどね……。


 ということで、地獄の木材加工が再び始まります。


 ああああああああああああああ!!!!!!

 最悪だ……。


 もうあんなつらい思いはしたくない。


 っていっても、どうせやるんですけどね。

 逃げたって、結局やらされるからね。


 なに?それどこの俺の会社?


 俺も一時期、ブラック企業を脱走しようと試みたが、数々の防犯カメラ。見張りの警備員に見つかってしまい、あとでこっぴどく叱られた。


 叱られたというよりかは、殴られた。というほうが表現として正しい。

「これは愛の鞭だ。」とかなんとかいっていたが、絶対に愛の鞭なんかじゃない。


 ブラック労働+監禁+パワーハラスメントは?

 そうだね。地獄だね。


 もし、履歴書を書く機会があったら、数々の視線を潜り抜けてきたって書こうかなとすら思う。


 やっぱブラック企業は害悪だぜ。


 あの「太郎さん」とか「Gの一族」とか「1匹見たら100匹はいると思え」の例のやつよりも、ブラック企業の方が害悪だと思う。


 流石ブラック企業。

 俺がこの世界にくる寸前に、同期と一緒に個人労働組合作ろう見たな話も出てた。


 なんなら、可決寸前までいっていた。


 でも、可決されなかった。

 なぜか。


 偶然かもしれないが、去年労基に駆け込んだうちの会社の人間が死んでいたからだ。


 もし、そんなことをしたら、俺たちの命の安全まで脅かされてしまうのではないか。


 そう考えた俺たちは結局、個人労働組合設立の話を白紙に戻したのだった。


 いやー。自由に行動できない世の中って、本当に良くないよね。


 一般的には、自由に行動できているらしいけど、俺は駄目だった。


 会社選びを完全に間違えたね。


「やり直したいことは?」って聞かれたら、即答で「人生」って答えちゃうかしれない。


 それはさておき、俺の木材加工ライフが再び始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る