第9話 国家予算も知らないやばい奴
「国家予算ってなに?」
「一定期間に置ける、国の活動に必要な金銭の収入、支出の計画を総合的に取りまとめたもの。のことだ」
「うーん。難しい言葉が多くて分かんない……。」
まあ、ある程度予想はしてた。
「端的に言うと、国のために使えるお金幾らある?。ってことだ。」
「なるほど!」
流石にこれはわかるんだな。
「でも、そんなものないよ?」
なんで疑問形?
そんな不思議に思うところあるか?
ないこと自体が不思議ってこと?
いや、お前が管理してるんだろ!
「え?ないのか?」
「うん!びっくりするぐらいお金がない!。」
ルナは誇らしそうにそういう。
いや、全然誇れないからね。
なんなら恥じるべきだからね。
で、解決策を出すのが俺になりそうなんだが……。
「よし!解決策を考えよう!」
おお。予感的中。
「つっても、俺国の為に何かやったりしたことなんてないぞ?」
なんてったって、大学出てからは会社という名前の監獄に閉じ込められていたからな。
もちろん閉じ込められているから、労基に相談なんてできやしない。
PCも仕事しかできないようにプログラムされているし、携帯は没収されているし、なんなら、有給という神制度を知ったのが入社三年目だぞ。
すげえなあの会社。常識にとらわれないという点では。
まあでも、この世界に来てよかった思う。
五徹とかしなさそうだし。
ただ、学生時代から追っていた長編漫画だけは読み終えたかった。
異能力物のやつ……。
あ、異能力といえば。
「ルナって何か特別な能力とかって使えるのか?」
「普通の人は無理だね。世界と世界を
普通の人は?何か別の意味を言外に含んでそうな言い方だな。
「じゃあ、ルナには何か特別な能力はないのか?」
「いや、あるよ。魔王は特別だから。」
いや、あるのかよ。
じゃあさっきの説明いらなかっただろ。
「ちなみに私の能力は「
いや、そんな
「悪い。凄さが全くと言っていいほどわからない。」
「だよね……。ちなみに能力としてはなんでもできるって感じだね。」
なに?その超ざっくりした説明。
まあ、要するにチートってことですね。
「ただこの能力ものすごい欠点があってね。」
ルナはそう困ったように言う。
「ものすんごい疲れるんだよね。」
あまりにもつまらない欠点だったため、肩透かしを食らった。
「なんだ。そんなことか。」
「ちょっと!そんなことって何?さすがに酷くない?」
いや、もったいぶって言ったお前のほうが悪いと思う。
「この世界に魔法って概念は浸透しているのか?」
「うん。浸透しているよ。でも使えるのは、大賢者クラスの人だけだね」
大賢者クラスって何?名にその格好いい響き。
「そういえば、君たちの世界の建造物……。そう!ピラミッド!あれも魔法で作られているんだ。」
へー。だから何年学者が頑張ろうが、謎は解明されないのか。
「ヒュッ」
風の斬る音が聞こえる。
「バシッ」
俺の真横にナイフが突き刺さる。
え?なに?
俺が戸惑っているとルナが険しい顔でぶつぶつ何かを言っている。
「これは、インスリカ製のナイフ……。間違いない」
そうすると、ルナはこちらに顔を向け。
「クロス。敵襲だよ。」
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