第4話 勇者になる!?

「で、どうしたらいいんだ?」


 復興手伝えとか言っておいて、何させたらいいかわかんないとか、意味わかんないことをいうやつに俺は簡潔にそう聞く。


「ちょっと!タメ口?私これでも、あなたの国では神様としてあがめられていたんだから」


 え。何言ってるの?この子。

 っていうか、さっきまでタメ口だっただろ。

 いきなり何なんだよ。


「それってのなんの神様?名前は?」


 冗談だろうが一応聞いてみる。


「ふふふ。聞いて驚くなかれ、私は天照大御神あまてらすおおみかみと呼ばれていたんだよ」


 は?天照大御神あまてらすおおみかみ


「お前が天照大御神あまてらすおおみかみだったら今いくつだよ」


「言っとくけど、私二万年は生きてるからね」



 二万年!?まあ、本当に魔王ならありなくもない話か。


 いや、魔王だからって長寿って決めつけるのはよくないな。


 まあでも魔王本人がそう言っているんだから、そうなのだろう。

 まあ、証拠はないしどうしようもないからな。


「そういえば、ルナのおばあちゃんって何年ぐらい暴れてたんだ?」


「ん~?三千年くらい」


 ワイルドなおばあちゃんだな。

 そりゃあ、世界問題にも発展するな。


 というか人間側もよく三千年も戦ったな。


 終わりの見えないものほど恐ろしいものはない。

 仕事だってそうだ。


 やっても、やっても、増えていくばかり。


 もう、バグだろこんな世の中。

 無限回復並みにゲーム性崩壊するぞ。


 まあ、仕事にゲーム性求めているほうがおかしいんですけどね。


 でも、そうでもしないとやってられない。


 何度上司を心の中で殺したか。軽く数千は越えてるんじゃないか?


 でも、口に出してはいけない。


 言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、ポイズン


 というか、ルナが本当に天照大御神あまてらすおおみかみだとしたら、日本人が長年崇めてきた神様、異世界の魔王だったよ。


 神と魔王って真逆の存在じゃないのか?


 一人二役とは、二足の草鞋わらじを履きおってからに……。


 ……。なんか日本語変だな。


「でも、三千年も暴れていたら、もう許してもらえないんじゃないのか?」


「いや、もうほとんど許されているよ」


 ほとんど?


 ていうか三千年も大暴れしたんだろ?

 なんで許されているんだよ。


「もう、おばあちゃんが暴れてから、二万年は経つからね。その出来事を忘れている、もしくは学校でふんわり教えられる程度だからね」


 魔王の存在は知っていても、別に憎んだりしているわけではないと。そういうことか。


「そうそう」


 俺は何も言っていないのに、俺の思ってることわかってそうなのどうしてなんだ?。


 表情から読み取ったりしているのか?

 それとも、テレパシーみたいな能力が使えるのか?


 どっちにしろ。

 口に出さなくても思っていることがわかるっていうのは、俺が考えることをやめたくなるのでやめて下さい。


「で、」


 で?


「そういうわけだから」


 そういうわけだから?


「私と契約して勇者になってよ」


 ルナはそう、どこかのインキュベーターが言っていそうな、セリフを吐いた。

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