魔女のメイドカフェ・ソルシエール。
猫野 尻尾
第1話:ソルシエール。
そのカフェの名前は「ソルシエール」って言う。
魔法の国「ミルドゥフォレ」から人間界にやって来た「エンリード」って
魔女の中年熟女さんがメイドカフェのママさん。
なんで魔女「エンリード」が人間界に来たかって話だけど・・・。
それは少し話を遡って魔法界での話。
エンリードが人間界に来る前まではミルドゥフォレは平和を保っていた。
だけど男の魔法使いの中に悪魔と取引をして悪い心を持った「マルシヴァル」
と言う魔法使いがミルドゥフォレを支配しようと企んで自分に逆らう魔法使い
を次々排除し始めた。
マルシヴァルは自分と同じ考えを持った魔法使いを集めて組織を作った。
魔法の国と言っても魔法が使える者もいれば魔法が使えない者もいてマルシヴァルは
魔法が使える者だけを脅威と見なし攻撃した。
そして魔法が使えない女だけを自分のアジト「闇の塔・ドラグスガイム」に
みんな絶滅して女性までいなくなったら自分たちも子孫が残せないからだ。
ま、男の欲望を満たすためでもあった。
魔法が使える一般市民もマルシヴァル一派に戦いを挑んだか、実力の差は目に見えていてほとんどの魔法使いや魔女が悪の餌食になった。
このままだとみんなマルシヴァルに殺されてしまうと思ったエンリードは若い女の子を集めて、その子たちを引き連れて時空を超えて人間界に逃げてきた。
それがエンリードが春葉原でメイドカフェを営んでることの真相だった。
とりあえずマルシヴァルにはエンドールたちが人間界にいることはバレてない
ようだ。
だからマルシヴァルが人間界へ攻めて来ない限り今のところ平和が保たれていた。
ソルシエールのメイドさんは10人いて、その中の3人はキッチンで
料理やまかないを担当していて残りの7人がシフト制で働いていた。
実はメイド全員が魔法が使えるわけじゃない。
魔法の国だからと言っても、みんながみんな魔法学校へ行く訳じゃない。
魔法使いになりたくない者もいるし、学校へやれない貧乏な一家もいるわけで・・・。
まあ癒しと言う点では魔法なんか使えなくても来た客に「萌え萌え〜」って
媚び売ってたら充分癒しの魔法をかけたと同じことになるんだけどね。
その「ソルシエール」で一番人気があるメイドさんの名前が「ウイッカ」
まだ17歳の彼女は魔法が使える魔女としても上級クラスの。
まあ、だけど人間界で魔法を使うことはほぼないに等しい。
そんな魔女たちのメイドカフェには、癒しを求めてたくさんの男が客として
訪れる・・・男ばかりじゃなく女の子もカフェにはやって来る。
もちろん彼女たちが魔法の国から来たなんて誰も知らない。
ここにも一人「ウイッカ」の魅力にどっぷりハマってやって来る男がいる。
彼は同じ春葉原のジャンクショップに勤めてる。
名前は「
実は大福は自分でも気づいていない特殊な体質を持っているんだ。
「ねえ、ウィッカちゃん・・・僕とプライベートで付き合ってよ」
「どうしよっかな〜」
大福がウィッカを口説くのはこれで何度目か・・・。
ちょっとウザいって思っても男にそこまで慕われたら女は悪い気はしない。
ましてウィッカは、大福のことが嫌いじゃなかったからなおさら。
今のところ大福の申し出を無下に断っちゃう理由もなし、・・・だけど他の客の
手前もあるから、店の中であまり大福と仲良くもできない・・だから大福には
このまま、しばらく放置で我慢しててもらおうかなってウィッカは思った。
ウィッカのじらし作戦開始。
いつの時代でもどこの世界でも男は女の魅力に惑わされるのが筋書きのようだ。
つづく。
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