第14話 嫉慕

 喫煙所の近くにある自販機、三台あるうちの右端で買うと必ず当たりが出るというジンクスがあって決まってそこで買うようにしていたのだが、その日はたまたま会社の入り口にある別の自販機でサイダーを買った、がこん、落ちてきたペットボトルを拾おうと膝を折ると、低い声で先輩が、この浮気者め、と一言告げる、なにを言ってるんだこの人は、振り返りながらも指先が触れたサイダーは掴めないほど熱くなっていた。

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