第9話 並木
酒を買うのに毎回どこでも身分証の提示を求められる童顔を先輩に嘆いていると、不意に、穏やかな風が荒れて落葉の絨毯が舞い上がる、おさまったあと目の前には誰もいない、後方からこちらを呼ぶ声がした、おいお前、一人で突っ立ってなにをぶつぶつ言ってるんだ。
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