第14話 Love so sweet(14)
「んじゃ。 いいモンあげよっか、」
ナンちゃんはニヤっと笑って、デスクの引き出しから小さな袋を取り出した。
「・・いいもの?」
「この前。 中国に行った友達から貰ったのよ。 アレが絶倫になるってゆー漢方薬。」
それを手渡された。
昔の風邪薬のように一包づつ紙で包まれたそれは
もんのすごくアヤシイ薬っぽいのだが。
「絶倫・・」
悲しいかな
その言葉の魔力に取りつかれた。
「これ。 この前のゲイバーの友達にあげたのよ。 一緒に棲んでるカレシに飲ませたらしいんだけど。 もう、その晩寝かせてくれなかったんですって!!」
ナンちゃんは人の腕をひっぱたいて大ウケしていた。
しかし
おれは真剣だった。
そんなに
スゴいんだ・・
おれがこんなやから
心なしかゆうこの様子もよそよそしくて。
あまりに短いつきあいで結婚してしまった自分たちにとっては
こんなちょっとした行き違いが
大きなひずみになりかねない。
『子は鎹』
なんて昔の人は言うけれど
そんなおれたちやからこそ
それに頼っちゃいけない気がする・・
もんのすごく忙しかったが
この日は何とか9時には帰れた。
「おかえりなさい、」
何時に帰るとも言わないのに
彼女はきちんとあたたかい夕食を作って待っていてくれていた。
食事の後、後片付けをする彼女に隠れて
例のブツ
を、ささっと飲んでしまった。
それがめちゃくちゃ苦くて
思わず
ぐえっ
と、声が出そうになったので手で押さえる。
しかし。
これで今日は大丈夫や!
こんな薬に頼る日が来るとは
全く想像できなかったけど。
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