My sweet home~恋のカタチ。26--sweet rose--
森野日菜
第1話 Love so sweet(1)
もう
ほんっと。
自分の子供がこんなにかわいいなんて。
30年生きてきて、こんな気持ちになったことなんか一度もなかった。
ひと月前に生まれたひなたは
毎日見るたびにどこかが変わってて。
どんどん大きくなってるのがわかる。
生まれたてのときは、のっぺりとした
サルよりはまあマシかも、って感じだったけど
ほっぺたがふっくらとしてきて、見えているのかいないのか
たまにじーっと自分を見つめてるような顔をして。
ちっちゃい指をそっとさわると、自分の指を握ってきて。
足をじたばたしてるとこなんか見てると時間を忘れる。
いやしかし。
それよりも。
「いっぱい飲んだねー。 おりこうさん、」
授乳を終えたゆうこは愛しそうにひなたに頬を寄せた。
彼女の顔が
いきなり
本当にいきなり
『母親』になったのには驚いた。
元々、母性に溢れた女性だと思っていたが
子供を産んでからはさらに神々しいほどの穏やかさに溢れ。
ふっと自分の視線に気づいたゆうこは
「な、なんですか・・? ジッと見ちゃって、」
恥ずかしそうに服を調えた。
「ん? いや。 ほんっま幸せやなあって。」
顔が勝手に綻ぶ。
慌しく結婚して
ひなたが生まれて。
本音を言ったら
もうちょっと
新婚の夫婦らしくラブラブで過ごしたかった。
ま
自業自得なんやけど。
はあっとため息をついてみる。
ロクにつきあいもせずにここに至ってしまったおれたちは
『恋人時代』がほぼナシで。
もっともっと
とろけるような甘い恋人同士の生活を送りたかった!!
後悔するとすれば
もうそれしかなかった。
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