黄昏勇者の災難 ~受付嬢に騙される。そして、再び王都に殴り込む。~
善江隆仁
第0話 ~プロローグ~
――王都・オルテガの屋敷――
オルテガは、
「誠に申し上げ辛いのですが、我々全員、本日をもって辞めさせて頂きたく存じます」
使用人達を代表して、執事の男が伝える。
「落ちぶれた途端にそれか」
オルテガは、
「
「分かった、分かった。好きにしろ」
オルテガは、シッシといった手の素振りを見せ、使用人達を下がらせる。
「残念な事です」
使用人達は、一礼すると、そそくさと出て行った。
「
今度は、オルテガの
オルテガと彼女は、彼女の父親が決めた、言わば政略結婚の予定で、本人同士の仲は上手くいっていなかった――というよりは、オルテガが一方的に嫌われていた。
それは、自身の運命を勝手に決められた彼女の腹いせだったのかもしれない。
「使用人達は、貴方の事を悪くは言っておりませんでしたけど、王子を殴るとか、どうかしてますの? とても正気とは、思えませんわ。しかも、相手は
「フン。子供だからこそ、大人が説教してやらなくてはならんのだ」
「だとしてもですわ。それに、それで地位を失ってしまっては、元も子もありませんわ。まぁ、
「フン」
オルテガは、そっぽを向いて
「では、ご
彼女は、スカートの
暫くの沈黙。
そして、オルテガは、むくりと立ち上がった。
「お前ら全員、必ず見返してやるからなっ!」
オルテガの声が、
こうして、彼は屋敷に一人、取り残される事となった。
これは私達の住む世界とは別の世界。剣と魔法が支配する世界での物語……。
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