エージェント・オブ・ジャガー

浅見崇史

プロローグ

 ここは、ギリシャのアテネ。パルテノン神殿のとある港にたくさんのヨットとヘリポートのあるクルージング船があった。

 しかし、上空で人が落ちて来るのであった。それは黒い紳士服を着た男であった。しかし顔は、何故かジャガーのマスクを着けていた。男はクルージング船の近くに落ちてゆく。いったいどこから落ちてきたかはわからない…

 しかし、パラシュートを展開させるデュプロイメントバッグを着けていた。ジャガーの男は距離のいいところでパラシュートを展開させた。

 パラシュートでの浮遊でそのままクルージング船の先頭に近づく。サイレンサー付きのマシンガンを持っている髭の生やした見張りの男性に飛び掛かりのキックをした直後に着地した。

 そして、斜め右にあった物陰に隠れる。ジャガーの覆面の男は小さな声で言う。

「ここだな。」

 男はどこからかサイレンサー付きのハンドガン、ワルサーP99を装備した。向こうにはもう1人見張りがいたが、気づいていないようだ。コンテナの物陰に隠れていた男はゆっくりと物音を建てずに、見張りの男の背後から近づいた後に膝と右腕で攻撃した。

 バシッ! ドサ!

 男をすごい力で倒した。船の中に潜入したが、部屋の向こうにはまた見張りの男がいたが、パソコンを見ていて気付いていない。またジャガーの手によって倒されてしまうが、気絶していた。窓から外へと出るジャガーの男。テーブルとコンテナがあるが、斜めの向こうには梯子があった。ジャガーの男は梯子からすばやく降りる。

 しかし、向こうには話し声が聞こえる。近くには髭が生えていない30代の男と手前の方には男が2人いたのだ。

「心配するなって。グレコスの指示を待って、ただ言われたとおりにやればいい。」

「護衛はどこだ?もうここにいてもいいはずだ…」

 2人は向こうの部屋に行った後に、ジャガーの男は近くの男に気づくように梯子を軽く叩いた。

「ん?」

 近くの男は変な音が聞こえ、次の瞬間、ジャガーの男が飛び掛かり、掴む。男はジャガーの男によってまたも気絶した。

「今グレコスと電話中だ。」

「連中がいないと、俺たちだけじゃ無理だ。」

「グレコスに任せておけば大丈夫だよ。とりあえずニュースでも見て…」

 不安になりながらもグレコスに任せておけばいいと男は言う。パソコンを操作する直後に壁に隠れていたジャガーの男。ジャガーの男はワルサーP99を構え、男2人を一瞬の内に頭部を狙って2発発砲する。

 至近距離で男2人の後頭部に命中した。サイレンサーが装備してるため発砲音はなかった。そして2人を倒したあとにジャガーの男はそのまま奥へと進む。

(グレコスはビジネスマンであっても、テロリストであった。やつは爆弾でパルテノン神殿のいる観光客を巻き込もうとしている…)

(爆弾がパルテノンに着いてしまったら終わりだ…! 阻止しなければ!)

 ジャガーの男はそう呟いて、グレコスの計画を止めようとしていた。走るジャガーの男は扉の方へと。中ではグレコスらしき声があった。

「おい、説明しろ。俺のヘリはどこ…」

 ジャガーの男はドアを蹴りばして開ける。電話をしている途中だった男は騒音に気づき、振り向いた。

 そう、彼こそがグレコスであった。

「ジャガー…!? 貴様は何者だ?」

 グレコスは容赦なくケータイをジャガーの男に投げるが、避わされてしまう。次にグレコスは殴りかかるが、受け止められ、ジャガーの男がグレコの顔にジャブをする。バシ!

 グレコスは倒れ起き上がるが、ジャガーの男に壁に叩きつけられる。そして掴む。

「計画を中止しろ!もう終わりだ…!」

ジャガーの男は言うが

「40人に勝てるのがならやってみろ。こっちだ!」

 グレコスは40人の部下勝てるのか不敵に言って仲間を呼ぶようにドアに向かって叫んだ。するとマシンガンを持った男2人が駆け付けたあとにグレコスはジャガーの男から振り払う。

 ジャガーの男を倒したあとに離れる。

「始末しろ!」

 グレコスは部下に命令してジャガーの男にマシンガンを発砲する。ダダダダダ…!ジャガーの男は急いで壁に張り付いてワルサーP99を装備した。

 ジャガーの男は隙を逃さずに素早く頭部を狙って撃つ。弾丸が2人の男に命中した。そして2人は倒れる。ジャガーの男はすぐにグレコスの跡を追う。はしごに上ったあとにグレコスがいた。しかし、まだ部下がいた。

「そいつを止めろ!」

 グレコスは部下の男を押した後に逃げ出すが、ジャガーの男は素早く左フックで男を殴り、次はストレートキックで倒した。

 右に曲がって、奥には逃げ出すグレコスがいた。走って追うが、グレコスが窓の外にいた。

「船に乗るんだ!」

 グレコが船で逃げようとした。走るジャガーの男だが、外から機銃らしき音が聞こえてくる。ジャガーの男はその音の直感で、左の羽部に張り付いて隠れる。

 機銃の発砲で窓のガラスが破壊される。さらに流れ弾によって部屋の周りの食器の皿やグラスが割れ続けてゆくのであった。それはヘリコプターの機銃であった。虹の描くようにヘリの機銃は流れ込む。奥にも来るが、流れ弾がジャガーの男には当たらなかった。

 機銃の発砲が終わった後、ヘリは船から離れる。その隙にジャガーの男は外に出る。

 既にグレコスとその部下はボートに乗り込んでいた。クルージング船に残っていたジャガーの男は銃をグレコスに向けていた。

 グレコスはジャガーの男をある手段で倒そうとにらんでた。グレコスは部下に言う。

「そいつをよこせ。」

 グレコスの部下の男は右のを取ろうとするが、グレコは手前の大きな武器の方だという。

「違う!デカい方だ!」

 それはスコープ付きのミサイルランチャーであった。グレコスはジャガーの男を射程を定めて発射する。

 ミサイルが発射されてクルージング船に向かってくる。ジャガーの男は急いで船から出ようとする。左の方へ向かって下の覗いた。すると遅れていたジェットボートがいた。しかし、グレコスの部下が乗っていた。ミサイルが間近に迫っていた。

 ジャガーの男はクルージング船からジェットボートのところへ飛び移る。その直後だった。 ドオォォン!!

 ミサイルが部屋のところに着弾し命中した。そして大爆発を起こした。やがてなんとか見事にジェットボートに着地したジャガーの男はすぐにグレコの部下の男を力強く投げ飛ばした。

 ジャガーの男はジェットボートの操縦桿をにぎり、アクセルを出した。同時にグレコスが乗っていたクルージング船はミサイルによって大爆発して沈没し始める。

 ドカーン! ドドオオォーン!!

 グレコスのジェットボートを速度上げながら追いかける、ジャガーの男。水しぶきを上げながら走り出す2台のジェットボート。

「ヘリが向かっています!」

 グレコスの乗るジェットボートの無線から聞こえるヘリの操縦士。しかしグレコは追ってくるジャガーの男に対しての攻撃を告げる。

「全船に告ぐ!ジャガーの覆面を被った奴が生きてる 殺せ!」

 グレコのジェットボートは速度を上げて木の橋に突進する。そのボートの体当たりで橋はバラバラに破壊される。ガシャーン!バキバキ…!

 全速力で追いかけるジャガーの男のジェットボート。しかし、横から小さなジェットボートが出てきて、マシンガンを持った男が2人もいた。男はマシンガンで攻撃してきた。ダダダダダ! しかし、当たらなかった。

 左右に移動しながら40キロのスピードで近づいてくる。そして

ワルサーP99を構え、ボートに乗っている2人に命中した。

 グレコスのジェットボートはどんどん加速して橋を壊しながら障害物であるヨットや他の大きなクルージング船を避けながら逃げ続ける。グレコはヘリに無線で連絡する。

「グレコスからヘリへ!ジャガーの奴のボートを破壊するんだ!」

「了解した。ヘリをこちらから回す。」

  2台のクルージング船の間を進みながら遠くのボートに迫ろうとしたとき、ヘリの機銃がジャガーの男のボートを攻撃するが、一瞬して避わす。

 そしてボートに乗っている2人をワルサーP99で素早く頭部に命中する。バランスを失ったボートは無人のヨットにぶつかり、爆発した。

「手ぬるいぞ!あの塔を破壊しろ!」

 グレコは無線でヘリに右の方にある灯台を破壊しろと言う。ヘリはミサイルを2発発射する。ミサイルが灯台に命中して海面の方へと転落する。ザッパーン!ドドドド…

 灯台は水に落ちたが、わずか浅いものでだが、ジャガーの男のジェットボートは踏み台のようにジャンプした。

 沈むことなく着地してグレコスの跡を追いかけるジャガーの男。

「まだ奴が後ろにいる!なんとかしろ!」

「了解!目標を捕らえた。」

 ヘリの操縦士は言ったあとジャガーの男の背後にいた。ヘリのミサイルで攻撃したが、岩の方へと命中する。爆発の煙で前は見えなくなる。すると、ヘリが回り込んだ。高度を下げながら向きを変えるが、右の横には燃料タンクがあった。ジャガーの男はワルサーP99で素早くタンクを撃つ。

 タンクは爆発して、ヘリはバランスを失う。倉庫の間を通り抜けたあとに後ろから倉庫もヘリも大爆発を起こした。

 炎が立ち上がり、煙も空に上がるのであった。ドカーン!ズドドドド!


 グレコスは既に港にいて、ジェットボートから降りていた。遠くで爆発見てほっとしていたグレコス。

「やったか。時間を無駄にしてしまった 急ぐんだ」

 グレコは手下に命令するが、男が持っている大きな何かが運んでいく。しかし、ジャガーの男のボートはゆっくりと進んでいた。発見したグレコの部下は言う。

「グレコス、あそこだ!」

「くそ!お前たちは足止めしろ!残りはアクロポリスへ行くぞ!」

 グレコスはアクロポリスに向かうため立ち去る。グレコスの部下の男2人はマシンガンでジャガーの男に攻撃する。

 流れ弾がジェットボートのフロントガラスに当たるが、ジャガーの男自身は当たらなかった。

 ジェットボートは速度を一気に上げて突進する。マシンガンを持った2人にめがけてジェットボートは飛び掛かるのであった。

「うわああぁー!!」

 2人は水面に投げ落とされ、ジャガーの男はジェットボートから飛び降りて陸地に着地した。ジェットスキーのあるところへ。そして、ジャガーの男が乗っていたジェットボートは階段のそばの所へと落ちて、爆発を起こした。ドッカーン!

 爆発して炎上するジェットボートだが、近くのいた人たちは慌てて逃げだした。ジャガーの男はグレコスを見つけ出すため、建物中へと入り込もうとするが、銃弾が走り出す。

 部屋の中にはグレコスの部下がまた2人もいた。

「ここを通すな!」

 ジャガーの男は素早くワルサーP99で2人の頭部に銃弾を命中させる。倒した後に中へと入る・右に曲がって進み、書斎へ。今度は左に曲がり、パソコンが置かれている机のとなりにはドアがあった。ジャガーを力強く蹴ってドアを打ち破った。そこは岩の橋が立つプールサイドだった奥にはホテルが。

 銃を持ってジャガーの覆面を被った男を見た人たちは悲鳴を上げながら逃げていく。ジャガーの男は走りながら弾をリロード。岩の橋を渡ったあとにすぐ右へ曲がる。

 先には女性の像が見える。階段を渡ろうとしたとき、物陰からグレコスの部下の男が現れた。ジャガーの男は一瞬で近づき、素早いパンチで男を倒す。更に、中からマシンガンを持った男がジャガーの男を撃とうした瞬間にジャガーの男はワルサーP99を0.5秒で男に向けて撃つ。

 左の頭部の方に命中して、男はすぐに倒れるが、ジャガーの男は階段の近くでジャンプして女性の像の近くまで着地。

 左に曲がったあとに、また階段がある。しかし奥からグレコスの声が聞こえる。

「失敗は許されないぞ ジャガーの覆面を被った奴がここまで来たら… わかってるな!」

 グレコスの怒鳴り声がすぐに消え、ジャガーの男は広い部屋へと。左の壁に張り付いた。先にはグレコスの部下が2名待ち構えていた。ジャガーの男はすぐに男を頭部を1発で命中して、ソファーにから出てきた男も2発で頭部と胸に命中して倒れた。

 その場ですぐにリロードしてドアを打ち破る。またドアがあってそれも打ち破ろうとするが、その場で止まり… どうやら敵が待ち構えていると気付いた。ジャガーの男はスマホらしきデバイスを取り出した。

 指で操作しているが、何かを… アクロポリスの遠くの上空から J15の戦闘機が飛行していた。しかし、パイロットはいなかった。そう、遠隔操作であった。

 ジャガーの男はデバイスで戦闘機を操作し、外にいるグレコスの手下が待ち構えていた。

「ここまでだ。通れるわけがない!」

 グレコスはそう言って逃げ出す。しかし、戦闘機はミサイルを2発発射した。遠距離からミサイルが来ている。それに気が付かないグレコの手下たちは1発目のミサイルがすぐに降りた赤い車に着弾。

 爆発によってグレコスの手下2人は吹っ飛ばされ、2発目も車の2台の間の地面に着弾して爆発した。ドカーン! ドドオォォン!!

 物陰に隠れていたグレコスの手下はまだ2人もいた。

「なんだ… なんでミサイルが…」

 1人の男は上へと振り向く。

「戦闘機が! 奴には仲間が…!」

 無人の戦闘機は今度は機銃を数発発射してグレコスの部下の男を倒す。そして戦闘機はその場から通り越す。ジャガーの男のデバイスの操作により、オートパイロットモードに切り替わる。

 やっと片付いたあとにジャガーの男はドアを開けた。外へ出られた。戦闘機でグレコスの部下を一掃したが、階段を上って時計のある門へと向かう。入るとそこはカフェ。クロノスという店であった。

 もしかしたらここに、グレコスが隠れているじゃないかと。確信したジャガーの男はカフェの中へと。

 しかし、中には誰もいない。1人もいないのは確か… ジャガーの男の背後から人影が―― 直感がかかったジャガーの男はグレコスの気配に気づき、椅子を持って強く振り回すのを素早く避けた。

 隙を狙って右ストレートでグレコスに反撃。 ゴッ! しかし、グレコスはひるむことなくパンチするが避け、ジャガーの男は左腕を受け止めた後に右キックでグレコスの足元に当たってダウンさせた。

 グレコスを掴み

「爆弾はどこだ、グレコス?」

 ジャガーの男はグレコスを窓の方へ投げ飛ばし、ガラスはものすごい音を鳴らしながら割れる。 ガシャーン!!

 銃を向けるジャガーの男は爆弾はどこにあると問いかける

「これが最後だ―― どこにある?」

「フン、もう手遅れだ。」

 グレコスはそう答えた瞬間、車のエンジン音が鳴り始める。

 右から車が走り出しアクロポリスへと走ってゆく。あの車には爆弾が――

「あれか。」

 ジャガーの男はロープでグレコスの両手首を拘束する。そしてどこから取り出したかまた銃のようなデバイスを取り出す。トリガーを引いた後に、壁の上からGT-Rの車が出てきた。

 ジャガーの男はそれに乗ってSUVの車を追う。爆弾を持ったSUVは120mまで近づいた。距離を詰めようとしたとき、背後から追ってくるGT-Rの車を撃つSUVに乗ったグレコスの部下の中年の男。

 先の車両を避けながらSUVをスピードを上げたり下げたりして追いかける。トンネルなどを抜けたとき、パルテノンが見えてきていた。

 カーブしながら段々と距離を詰める。またトンネルを抜けた後にもうパルテノンに近づいてきて来た。先に着いたらお終いだ。

 その時、GT-Rに乗るジャガーの男は運転中にあるスイッチを押す。右下からミサイルの胞子が出てきた。そこから小型ミサイル1発発射する。

 近距離でSUVの左のところにミサイルが着弾する。ドオォン!

 ミサイルの攻撃でSUVはバランスを失い、2回も回転しながら点灯すことなく止まる。フロントから火が立つ。

 GT-Rもスピードを落とし、その場で停車。門のところでグレコスの部下のSUVは運んでいた爆弾と一緒に爆発して炎上する。爆発でドアが左右に吹っ飛ぶ。なんとか、グレコスの爆弾テロはジャガーの男によって阻止された。

 遠くで見ていた観光客は驚いた。

「おい、見ろ。」

「爆発!?」

「まさか、あれって……」


 数日後。逮捕されたグレコスは警察官などに尋問していた。

「あのジャガーの奴に俺の計画に気づき止められたんだ!」

「では、そのジャガーの覆面を被った男は?」

 そしてグレコスは拘束されたときにジャガーの男にこう答えた。

「いったい… 貴様は誰だ…?」

「俺か… 俺は……」

「奴の名は―― エージェント・ジャガー……」

 グレコスは言った。ジャガーの覆面を被り、スーツを着た男の名前は、エージェント・ジャガー。

 その男は、音を建てずに敵を倒し、見事な動きで敵を瞬殺。その正体は未だに不明。果たして、この男は何者なのか―――

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