カスハラから助けた後輩に好かれた件

飛龍

第1話 なぜそうなる

「常連を待たせるな!!」

突然店内に響いた怒号

対応していた店員がびくびく震えている。

そんな状況を見ていられなかった先輩の俺高山謙一(たかやまけんいち)はその席に行く。

謙一「何か不手際がありましたでしょうか?」


常連「不手際も何も料理出すのが遅いんだよ!!」


謙一「今日は混雑していましてどうしても遅くなってしまいます。」


常連「だから早くしろと言ってんだ!!」


謙一「すみません。調理の方に言っておくので今日のところは勘弁してもらえませんか?」


俺は頭を下げた。

常連「あんたも頭下げろ!!」


後輩の上野麻里(うえのまり)はびくびくしていた。

俺は小声で話しかける。

謙一「今は頭下げて。」


麻里は頭を下げた。

麻里「すみませんでした。」


俺と麻里は席を離れる。

そして俺はまた小声で話しかける

謙一「さっきはごめん。洗い物溜まってるみたいだからそっち任せるわ。」


麻里「ありがとうございました。」


そしてホールは俺と1人の店員だけで回し続けた。

ようやく閉店の時間になり最後の客が帰っていった。

業務を終え皆帰って行くとき呼び止められるた。

バイトリーダー「謙一ちょっといいか?」


謙一「別にいいですけど。何か?」


バイトリーダー「今日麻里をキッチンに回したことだ。」


謙一「何か問題でも?」


バイトリーダー「ホールでやってた店員から苦情が出てたぞ。」


謙一「じゃああの時どうしたらよかったんですか?」


バイトリーダー「お前なもういいよ。クビだ。」


謙一「今日までの給料ちゃんと払ってくださいよ。」


俺は店を出ると待っていた麻里に話しかけられる。

謙一「何か用?」


麻里「いえ、あの時助けてもらったのにお礼が言えてなかったので。」


謙一「礼なんていいよ。これから自分で対応してくれよ。」


麻里「これからはって辞めるんですか?」


謙一「辞めさせられるんだよ。今日のこと咎められた。」


麻里「私のせいでごめんなさい。」


謙一「気にすることはないバイトリーダーが無能なだけさ。」


麻里「あの先輩、私先輩に惚れました。」


次回に続く





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