カキネ村編 業火


黒い炎が俺に渦巻く。さっきまで、動かなかった体が嘘のように軽く感じる。だが痛みは消えないみたいで、ズキズキ痛む、理性が俺を動くな!動くな!と呼び止めてくるが、今は邪魔だ、俺は理性を燃やす。「おい」そう俺は村の人を殺す奴に殺意を込めて呼ぶ。「あ?俺は今、忙しんだよ、クソガキ!そんなに死にたいなら、後で殺してやるから待っとけや」とニヤニヤしながら俺に返事する。「おい、ヤス!殺すなって言ってんだろか!それと、ガキいいかんげんにしねぇと俺が殺すぞ」そう言うリーダーと呼ばれる男。だが、こいつは無視だ。後ででいい。俺は、黒い炎を、操る。使い方が分からずとも、心に従えば操れる。それだけ分かれば今はいい。俺はあのゴミに向かって火を放つ。あいつは、それを、避ける。「あぶねぇ、」そう言い終わる前に俺は火を、連続で放つ。あいつはどうせ避けるだろ。なら、追尾させればいい。そう思うと、火は、やつを追いかけ、全て命中する。「あちぃ!あちぃ!あちぃ!なんだこれ!」といいながら火を消そうと、建物から出て、土の中に転げ回る。俺は、あのゴミに近づく。「おい、ゴミ、そんな事しても消えねぇよ、消せるわけがねぇ、俺の意志を、俺らの意志を舐めるな!」そう奴にいい、「心も、肉も、意志も、魂も、全て焼き尽くせ、俺等の炎よ!」その言葉と共に、さらに凶悪にどこまでも黒くなったホノオが、奴という存在ごと、かき消す。「次はオメェだ」俺はそう指差す。「ありぇねぇ、ヤスを殺せたって事は、お前の力はその年で、権意けんいに目覚めてるってのか?おかしいだろ?」悩んだ顔しながら言うあいつは、急に納得した顔になる。「そういう事か、最初からこんな村の子どもを、あんなお偉いさんが、なぜ狙うか分からなかった。だが奴の願いで、たんまりいだいたから、やった。そうか、お前が目当てか。なる程な、理解したぜ、あいつの事だ俺がお前を本気で殺しに行くのも既に知ってるだろ、なぁガキ、一つ聞くが、お前が倒したのは、イカれた女1・人・を倒してきたのか?」そう分けのわからない独り言を続けたと思えば、俺に聞いてくる。「あぁ、そうだ、お前の仲間は、俺等が倒した、だから俺がここにいる、お前を殺せるんだ」そう殺意を込めて返す。「そうか、全て理解したありがとなガキ、俺はお前を殺しても依頼無視にはならなそうだ、じゃガキ、殺すぜ」「こっちのセリフだ!」その瞬間俺とあいつの殺意が、ぶつかった。

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