第9話 就職活動の悪夢
専門学校を卒業するにあたり、私は就職活動を始めることになりました。就職活動という言葉を耳にするたびに、未来への不安と期待が入り交じり、心の中で複雑な感情が渦巻いていました。これまでの挫折や孤独な日々を乗り越え、社会に出ることで新しい自分を見つけられるかもしれないという希望を抱いていたのです。しかし、それと同時に、「自分にできるだろうか」「また失敗するのではないか」という不安も消えることはありませんでした。
面接のたびに、緊張と自己否定の感情が襲ってきました。面接官の前に座ると、言葉が詰まり、言いたいことがうまく伝えられませんでした。周りの応募者たちは自信に満ちあふれているように見え、私はますます自分が劣っているように感じました。自分の履歴書を見ながら、「これで本当に評価されるのだろうか」という疑念が頭をよぎり、どれだけ準備をしても、面接の場では心が崩れそうになるのです。
就職活動中、私は初めて本格的な「パワハラ」を経験しました。いくつかの会社で、面接官や担当者から厳しい言葉を浴びせられ、自分の欠点ばかりを指摘されました。「こんなこともできないのか」「君は本当に社会に出る準備ができているのか」といった言葉が、私の心を深く傷つけ、これまでの自己否定がさらに強化されてしまったのです。何度も心が折れ、泣きたい気持ちを押し殺して面接を終える日々が続きました。
この頃、私は絶望感に支配されていました。どれだけ努力を重ねても、それが評価されることはなく、自分の価値がどんどん下がっていくような感覚に陥りました。誰かに相談する勇気もなく、ただ一人で苦しみを抱え込み、日々の中で自分が少しずつ壊れていくのを感じていました。私の中で、就職活動は「自分が社会に受け入れられない」という現実を突きつけられる、悪夢のような時間になっていきました。
結局、私が得たのは、就職活動によってさらに深まった自己否定と孤独感でした。自分には「居場所がない」「誰にも必要とされない」という思いが強くなり、将来に対する希望も消えかけていました。社会に出ることへの恐怖が、私の心に深く根付き、次第に自分の中に閉じこもっていくことしかできなくなっていったのです。この経験が、後に私の人生の大きな分岐点となり、これからの自分にどれだけの影響を与えるかを、当時の私はまだ理解していませんでした。
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