絆の黒羽

孤高出ぼっち

第1話 自覚は唐突に

(あ、僕転生してる)


 そのことに気づいたのは僕がこの世界に生まれてから4年半が過ぎた時だった。

 

 自分が転生していることにはあまり驚かなかった。以前から前世の記憶が思い浮かび合ったことが何回かあったからで、今になって自分が今ここに存在しているのが確立したわけだ。


 てか本当にここどこ?


 (さて、ここからどうしよう?とりあえず家に帰ってここが何処なのか父さんか母さんに聴いてみるか帰り道も幸い今世の僕が記憶しているから心配無し)


 と、いうわけで早速家に帰ろう!
















―—で、家につきました。 

 僕の家は商店街の中にあり両親はそこで八百屋やおやを経営している。常連客のみんなに愛されているこじんまりとした店で僕自身はすごく気に入ってる。

……なんていうか、前世からこういう家って好きなんだよねぇ。


 「あらおかえりエド」

 「こんにちはエドちゃん。元気してる?」

 「今日も元気でいいわねぇ~。あ、奥さんこれも頂戴」


 この人達は僕の八百屋さんの常連。いつも沢山野菜を買って行くんだけど、とにかく話が長い。

この前捕まった時は二時間くらいずーっとお喋りしてて新たな拷問かと思った。切実に


 「こんにちは!元気です!ねぇ母さん、父さんは何処?」

 「裏でお仕事してるわ。なにかあるなら後にしなさいね」

 「はーい」


 そう挨拶し、おばさん達に捕まらないよう、父さんを探す


 「父さんお仕事いつ終わる?」

 「ん?エドか。ああ、もうすぐ終わるぞ」

 「分かった!」


 その後、他の常連たちに挨拶しつつ、階段を駆け上って洗面所へ

 いつものように手洗い、うがいをしたあとリビングに行く


 「お、今日のデザートはバナナか」

 八百屋なので野菜と果物には困らないのだ

 

 「おーい、エド。来たぞ」

 「父さん!お疲れ様!」


 父さんと母さんがちょうど仕事を終えて戻ってきた


 「どうした?何か聞きたいことでもあるのか?」


 それを聞き僕は準備していた質問をする


 「えっとね、この国のことを知りたいなぁって」

 「国?急になんで知りたいんだ」

 「別に知ったっていいじゃん」

 「確かに。それじゃあご飯の支度をしながらでも話そうか」


 そして父さんはこの国のことを詳しく、子供でも分かりやすいように教えてくれた


 僕もうとっくに大人だけど……

 体は子供だけど……


 ……悲しくなってきた
















 この国は世界で一番広大な面積を持つ『ロウフィア王国』らしい。様々な生物が王国で生息しており『生物の宝庫』だとも言われている。第一次産業が活発で食料自給率は驚愕の200%オーバー!多種多様な商品作物を作り、それを海外に輸出しているんだとか。他にも外国では希少とされる生物の素材やそれらを独自に加工した武具、アクセサリー、日用品が人気らしい。

 ここは王国の首都『ルナール』は海外の商人や、旅人たちが集まる世界から見てもかなり活気ある都市らしい。

 なぜこの国の名前が『ロウフィア王国』なのかというと昔、王族の先祖が魔眼の力で獣たちを統率し、迫りくる諸外国から防衛、時には侵略し、領地をどんどん併合した。そして獣たちとの絆を感謝してこの国名になったそう。

 ちなみにこの世界では魔法が使えるみたいで、さらに本当に限られてくるけど『魔眼』を持つ人は魔法を使わなくても特殊な力が行使可能らしい。

テンション上がるね。


 「へぇ~、そうなんだ。教えてくれてありがとう」

 「どういたしまして。ほら、もう眠る時間だぞ。」

 「また色々教えてくれる?」

 「おう」

 「ありがとう。おやすみなさい」

 「おやすみ」

 

 明日も頑張って情報を集めよう。

 おやすみなさい


 ぐう……





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