オーバーロード ~ウルベルトの奔走日記~

サイカ

第1話 ウルベルト

≪注意!≫


・この作品は作者の趣味しか反映されていません。


・作者はオーバーロードのアニメとweb小説、書籍、一部のマンガしか見ていないため、かなりの部分を妄想と捏造で補っています。


・誤字脱字が結構ありますが、教えていただければ、後々修正します。


・読みこみが甘いところがあったら、教えていただけると嬉しいです。


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「ハア……ハア……」


 暗い空の中、目にも止まらぬ速さで移動していく影が一つあった。

 ……と言っても、もう深夜になりそうな時間帯にも関わらず、光がまばらに存在しているのは、ブラック企業で残業にいそしむサラリーマンたちがまあまあな数、いるという事情があるのだ。


 その影はまだらに明かりが灯る暗い空から一転し、綺麗な空気で満たされている見るからにお金持ちが住んでいるような区間に入る。

 そして、その中ではこじんまりしたマンションにその影は不自然なくらい自然と潜り込む。



 その人物は慌てた様子で、机の引き出しからゲームにダイブするためのゴーグルを取り出して、すぐに装着する。


 時計の針は23時59分を指していた。


(間に合わないか⁉)


 ウルベルトは思ったよりも滞っているアップデートの様子に焦るが、アップデートがやっと終了したら、すぐにモモンガが待っているだろう玉座の間をダイブ場所に素早く設定し、そわそわしながらも目の前に早く光が差し込まないか、じっと待っていた。




 それから、目の前に光が差し込んだのが分かると、ウルベルトは必死に手を伸ばしながら、大声で叫ぶ。


「モモンガさん! 今すぐ、……」


 しかし、その言葉は尻切れトンボで終わってしまう。


 なぜなら、目の前にあるのはいつもみんなに合わせていろいろとしてくれる優しいギルマスの姿でもなければ、煌びやかな玉座でもなく、うっそうとした木々だけだったのだ。


「……嘘でしょ。……ここ、どこ?」


 ウルベルトにとっても、これ予想外だったらしい。


「いや、だって私はきちんと玉座の間にダイブ場所を設定したはずだし……。どっちに転んだとしてもこれはおかしいでしょ。」


 ウルベルトはとりあえず、状況を確認するため、その周りを遠隔視の鏡<ミラー・オブ・リモート・ビューイング>をアイテムボックスから取り出そうとする。


「うんうん。手もちゃんと人間だし、問題ないね。」


 ウルベルトは自分の目に映った手になぜか違和感を感じたのだ。


「……えっ、いや、ちょっ、ちょっと待って。問題ありありでしょ、これ。」

「……まさか⁉」


 ウルベルトは思い出したように今度は普通の鏡を取り出す。そして、鏡に映る自分の姿を見て、愕然とする。

 その鏡の中に映し出されたのは───


 ───桃色の髪をした少女だった


 ウルベルトは驚きのあまり鏡を凝視する。


「いや、まさか、こんなことはないよね。」


 ウルベルトは自分自身の言葉にこくこくとうなずくと、何回も瞬きをするが、鏡にある姿はちっとも変わらなかった。


「はあー」


 ウルベルトは大きなため息を吐くと、目の前の嘘偽りない姿リアルの自分を見つめる。


 桃色の少し長い髪は三つ編みで1つにまとめられ、後ろに流されている。瞳の色は黄色で水晶のようだ。日本人にしてははっきりと言ってかなり異質だ。しかし、服は黒のワイシャツに白の上着にショートパンツと至って普通だ。


「うわー。どうしよう。」


 一応、ログアウト画面を出すと、少しバグった感じになってはいるが、存在した。


 しかし、ウルベルトはモモンガの存在が気になるため、すぐにログアウトすることはせず、まずは当初の予定通り、遠隔視の鏡<ミラー・オブ・リモート・ビューイング>で近辺の情報収集をする。



 やはり近辺に広がるのは木々が多く、情報収集をし出してからしばらくたつが、人に会う気配が全くない。また、ウルベルトは自分を中心に半径50mいないであれば、大体の生物の気配は分かる。


 そのため、この近くに生物がいないと判断し、先に魔法が使えるのかなどの実験をすることにした。


 まずは、普通の〈マジック・アロー〉や〈ファイアーボール〉を使う。さすがに、大災厄〈グランドカタストロフ〉などを使うにはMP的にも現実的にも絶対にタブーな奴だからやめた。

 しかし、なぜか〈マジック・アロー〉や〈ファイアーボール〉が発動しなかった。そこで、ウルベルトはイメージを練ることを思いつき、実践する。すると、プレイヤーの時よりも威力は落ちているものの、無事発動し、安堵の息をもらす。


「あー。魔法が使えないかと思った。この世界にも、魔法は普及しているはずだから、使えなかったら、かなり危なかった。」


 その後は、その他もろもろの実験をしたり、その場で動き、自分の感が鈍っていないことを確かめたりした。



 その結果、分かったことがあった。

 それは、自分の取得したスキルは全て使えるだろうということだ。魔法を発動する際はイメージを細かいところまですることが重要らしい。そのため、イメージを完全に完成させ、魔法が発動するその瞬間にそのイメージを頭の中から消すことで、ギリギリその魔法をキャンセルすることもできるということだ。俗に言う、寸止めとかいうやつだ。

 大災厄〈グランドカタストロフ〉も一応、実験したが、その時は流石に冷や汗が止まらなかった。何せ、イメージを頭の中から消すタイミングをコンマ1秒でも間違えてしまえば、このあたり一帯が吹き飛んでしまうのだから。


 また、その自分が取得したスキル(技術)はそれは何も、ユグドラシル内のものだけではない、現実での技術もきちんと体に染みついているということだ。これはウルベルトにとってはかなり重要なことだった。



「うおっ。」


 ウルベルトは腕に付けたぶくぶく茶釜さんの時計を見て、声をあげる。


「もう、2時じゃないか⁉」



 そう、ウルベルトにはリアルがあるのだ。



 ウルベルトはもう一度、この世界に戻ってこれますようにと祈りながら、ログアウトをした。







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 初めまして、ですかね。「交差する光と虹」を楽しみにしている方には本当にすみません。

 しかし、再熱してしまったからには仕方がないですよね。うん。仕方がない。


 オーバーロードの映画「聖王国編」を見て再燃して、そこから2次創作を読み漁り、ここにありつきました。オーバーロードの2次創作でお薦めがあればぜひ教えてください(土下座)作者は基本的になんでもOKな感じです。


 この作品ではウルベルトさんは完全に作者の趣味で、「なんか、こんなのあったら、よくね」で気軽に始まりました。ウルベルトさんは捏造200%です!


 書き溜めがあるので、ここからは毎日投稿できるかなと思います。

 途中、変更があるかもしれませんが、何卒ご容赦を。

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