エッセイの練習、練習のエッセイ

みやび

好きなものがやめられない話




 ラーメン二郎が好きである。


 正確には二郎「系」、が好きである。インスパイア? とにかく二郎じゃない二郎。

 なぜ「系」かというと本家に(1店を除き)行ったことがないからだ。だから「二郎が好き」と堂々と名乗れない。ちなみにその1店は会津若松駅前店。他の二郎も行ってみたいとは思うが、会津の店舗が散歩の距離にあるので、「遠征まではいいかなぁ……」と足が向かないのが正直なところである。



 さて、最近私は引っ越しをした。


 家族を会津若松に残しての単身赴任。


 引っ越し先の福島市でも、私は黄色い看板を見つけた。

 家族の生活のため、倹約はマスト。

 とはいえ自分自身がんばれるのも大事だ。

 十二月の人間ドックのことも頭によぎるが……ときには好きなものは好きに楽しむのも大切だと、仕事にいそしむ日々の中で私は思うのである。



     *


 十月、珍しく人と会った日、カウンターで私はその人の言葉をぽわわんと思い返した。


「作家になったから書けるわけじゃない」


 ドラクエのてんしょくみたいに、肩書で自分の能力が変わるわけではない。

 子供のころ、背伸びして組立の難しいガンプラを買った時もそうだった。確かにパーツはある。けれど組み立てる能力がなければ。

 結局、そのプラモデルは完成しなかった。


 今思えば、エタるに似たりである。



 仕事のことを考える。

 係員が軒並み残業している中で、

「お先します」

 と偉い人がすっと後ろを通る。


「お疲れっした」と口にしながら、「いいよなぁ〜」、なんて思う。


 でも、それなりの役の人たちは普段から政策的判断を求められている。知見も求められる。

 そのベースになってるのはかつての実務だ。たぶん私の想像もつかないほど様々な苦労をして、彼らは今の職名を預かっているのである。



 だから手を動かすしかないなぁ、

 近道はないらしい。

 なんて思ってるところに、店員さんの「お待たせしました」、の声。


 好きなものはやめられない。

 写真を撮りLINEで送信。


 大量の野菜、肉の奥底から麺を引っ張り出しながら、

 私はアブラでギラついたほかほかの一口をずずー、と啜り上げるのだった。



みやび『今週2回目――(写真)』

友人『それはほどほどでいいんじゃない?』




     *


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 エッセイ書くといいよ、ってカクヨムで見かけたので、小説の気分転換にこういうのも書いてみよっかな〜? と高速バスの車中でぺちぺちと書いてみました。


 エリ女頑張りましょうね〜。

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