第19話 なんか分かってきたっぽい④
これが終われば、仮決め検証もジエンド・・・行くぜ終盤戦。
習得難易度の高いスキル群、★印のスキル検証を始める!キリッ!
まず、★▼語学マスタリーの検証を行う。
ぶっちゃけこれを行えば「語学」系のすべての検証を終えられるだろう。
行くぜ、語学スイッチ!ON~!!
ポチィ~
・・・
「バアウ!グロォ~ウル!グルウルワ!」
おっほ~~~~~~笑
これは・・・笑
試しに〈獣語〉を話そうと思いながら
ちなみに今のは「私はあなたの敵ではありません」と言ったつもりだ。
俺が異種族語で覚えたい言葉ナンバーワンがこの言葉だった笑
どうやら獣語ではこうやって言うらしい。こりゃ習得難度が高いって言われるわ。マジの獣じゃんか。
しかし流石は語学スキルである。獣の発音の凄みというか、普段の俺だったらどう頑張っても喉から出ないんじゃねっていう音が発音出来ている。スゴいぜ。
・・・俺には「語学」系の検証をするにあたって、ひとつの懸念があった。
スキルをセットしているのにも関わらず、自分が発音している異種族の言語を「自分が自分で自覚できない場合」は検証の意味が一つも無くなってしまうんじゃね・・・という懸念だ。
つまり日本語を喋っているような感覚を持ちながら異種族語の発話ができ、それでも相手に意味が伝わってしまうという状態。ノーストレス自動翻訳機能のような感覚。
語学スキルの構造がこのパターンだった場合はなんの学びも無く、仮決め検証としての結果は失敗となっただろう。
十中八九、語学スキルはこのような自動翻訳のパターンだろうと考えていた。なのでこの検証にはあまり期待をいていなかったのだ・・・
しかし、違った!
自分がガチガチの異種族語を喋っているという自覚を持ちながら単語が発音でき、なおかつ言葉の意味を理解できるという今のような状況であれば・・・
これを「記憶」し、「学習」できる・・・!!
そう、〈記憶力向上〉の出番なのである!!!
「フフフ・・・・ハッハッハッハ!!いひ!!なはは・・・」
思わず笑ってしまう。俺は苦労の末ついに辿り着いた。
超ド級のSP節約術を、見つけたのだ・・・!!
〈記憶力向上〉で、できるだけ語学の知識を吸収した状態でキャラクリを終え、最後に不要な語学スキルを外す・・・。
カンペキに話せるのは〈人語〉くらいでいい。〈人語〉は間違いなく購入する。そして他の言語はカタコトで話せるくらいのレベルまで〈記憶力向上〉で学習する。コレである。
そうと決まれば後は何をするのか決まっている。
歌だ・・・!俺は獣語で歌を歌い始めた・・・
「ヒャングルゥ~ヒャングルゥ~♪ワ~ガァ~♪」
「アオッ!クゥン・・・ワウルワウル!オォ~オーン♪」
これぞ獣語版、「きらきら星」である・・・
何故歌なのか?
歌、特に童謡や歌謡曲には日常生活で使用されるポピュラーな単語が多く採用されている。
つまりこれは常用単語の力を鍛えるための学習方法なのである。
簡単な文法能力と歌謡曲が歌える程度の単語力があれば、「会話」というものは成り立つ。
俺が行ってた高校のALT(外国語が母語である外国語指導助手)の持論である・・・確か、そんなような事を言っていた・・・ハズだ。
これで今思いつく限りの単語を一つ一つ
また、常用単語を
マナ、魔法、戦争、ドラゴン、武器の名前、エトセトラ・・・
日本の歌ではほとんど出てこないようなワード達だ。
他にも方法があったかもしれないが、俺はとにかくこの方法で獣語の学習を始めることに決めた。
・・・
どのくらい時間が経っただろう。
どれ程の歌を歌っただろう。
俺がちょうど〈鳥語〉の学習を終え、〈竜語〉の学習に取り掛かった頃。
いつの間にか部屋に現れた悪神が恐る恐る俺に問いただした・・・
「なぁ、オイ・・・お前アレか・・・?」
「オレ様に殺されるのが怖くて、壊れちゃった的なアレか・・・?」
・・・ん?いや、そんなこと無いッスけど・・・。
あ、やべえ。ハイになってたみたいだな俺。
クソ待たせちゃったか?
「え!?あ、いいえ!全然普通に正気です!お待たせしちゃってて、すいません!」
「・・・は?えっ、じゃあなんだ」
「お前は普通に単純にシンプルに、オレ様を待たせてるのが分かってて歌を歌ってたんか・・・?」
「それも・・・これだけの時間・・・?」
「・・・はい!サセン!語学の勉強をしていたら止まらなくなりまして!あ、そうなんですよコレ、遊んでた訳じゃなくて語学スキルを利用したその、一種の勉強法でして・・・あの・・・まずは終わってなかった検証をと・・・ゴニョゴニョ・・・」
「・・・・・・・・・」
「バ~~~~~~~~カがあああああああああ!!!!!!!!!!!!」
ゴチン☆
悪神は俺の頭を思いきりブン殴り、ふっ飛んだ俺に馬乗りになった。
あれ、ふっ飛んだ割にあんま痛くなかったぞ・・・?
「死ね!!オラ!!カス!!ゴミカス~~~~~~!!!」
マウントポジションからの首絞め!万事休すかと思ったが、これも苦しくない・・・?
「あ・・・あの、神様?何すかコレ・・・?」
「・・・ハッ!しまった!」
「え、神様もしかして・・・弱いんすか・・・?」
・・・沈黙が流れる。
ちょっと、何とか言ってくださいよ。
「だあああああああああ!!!!」
ぺしぺし、ゴンゴン。
お~っとここで悪神、殴る蹴るの暴行だ~!
「神様、ストップ。神様。」
悪神の両手を握る。
・・・スン。途端に大人しくなる悪神。
「・・・ルールがなきゃ死んでんだ、お前なんか・・・」
「え?」
「クソッタレのルールがあるせいでよ!!!転生者には本気出せねえようになってるっつってんだよヴォケ!!!!」
「本来のオレ様の力があればテメーなんぞ1秒もかからず殺せんだよっつうハナシ!!!!ぜって~~~ナメんなよ!!ナメたら殺す!!ぜって~殺す!!!」
なるほどなるほど・・・笑
夢中になって忘れてたけど、そういえば殺されるって言われてたんだったわ笑
でも大丈夫っぽいな。
あの時はちょっとビビッてたけど、そうですか。そういうコトです、か・・・
「神様、いいですか」
「ッだよ!!!??」
「もちろん、ナメたりしないですよ。いと
「・・・んお?」
「ただ・・・ちょっと・・・」
「カワイイっす笑」
「死ねえええええええええええ!!!!!!!!」
俺はちょっとだけ、悪神のことが好きになっていた。
リアクションが良いんだもん・・・笑
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