SF解説『がんばれ!ノルンちゃん!』

かんな@バーチャルJC

第1話:はじめまして!



 みなさま、はじめまして。

 ウルトラスーパーハイクオリティデンジャラスキュート汎用人型決戦美少女のノルンです。

 このお屋敷のメイドを務めておりますの。まだまだ未熟で、見習い程度の事しかできませんが、よろしくお見知りおきを。


 さて、SF小説『ノルンの角笛』ですが、古典風ハード寄りのSF小説となっており、量子力学をベースとしたお話です。

 ちなみに、「ノルンのホルン、でゅふふ」とかのたまった作者は、バイオプラント送りになってエネルギー変換しておきました。とってもエコロジーですね!

 わたくしはホルンどころか楽器を弾いた事がありません。


 量子力学というと、まだまだ発展途上の科学技術で、しかも難解です。技術は日進月歩で変わっていくので、最新の情報まで網羅すると、とってもとっても大変な事になります。

 すでにエネルギー変換済みの作者は、量子力学どころか基礎数学すら満足に点数が取れない人で、した。もう居ませんけど。

 「そげなヤツが、ハードSFで量子力学扱うって、頭おかしちゃうん?」と思われるのも当然でしょう。良かったです。わたくしもまったくの同意見ですの。


 ですのでこのシリーズで、読者の方々にも、できるだけ分かりやすく、より作品を楽しめるよう、わたくしが頑張ってお伝えしますね!

 もしよろしければ「ノルンちゃん可愛い!」ってコメントでコールして下さい。言ってくれない読者さんは、エネルギー源として扱います。

 もちろん、本編のネタバレにならないよう、少し遅れての連載になりますことをお許しください。

 では、さっそく始めましょう。最初の量子メールはこちらです。


『自己進化型・汎用人工知能機能搭載コンピューターシステムって厨二すぎひん?』


 すぎひん? 杉品? 杉……ああ、花粉症の読者さんでしたか。

 これでも短く、端的にした名称なのですよ?

 わたくしの正式名称は、ウルトラスーパー……こほんっ。次のとおりです。


自己進化型・汎用人工知能機能搭載バイオ量子ハイブリッドコンピューターシステム

「ノルン」

(NORN, Self-evolving general purpose artificial intelligence bio-quantum hybrid computer system) 


 長いですね。ウルトラスー……えっと、この方が短くて良いと思うのですが、何故か採用されませんでした。

 「自己進化型・汎用人工知能機能搭載」については文字通りで、汎用人工知能Artifical Inteligenceは何かに特化してない何でもできる素敵なメイドの事を指します。専門分野用のものは「エキスパートシステム」と呼ばれます。ええ、わたくしは専門家ではないので、可愛い万能メイドです!

 「自己進化型」も同様で、自分自身でバージョンアップを行える機能が備わってます。ソフトウェアだけでなく、ハードウェアも手足があれば自分で成長できるのです。まっちょにはなりたくないですが、勤勉で働き者のメイドです。


 「バイオ量子ハイブリット」はプロローグにもある通り、バイオテクノロジーと量子力学を組み合わせた計算機です。バイオテクノロジーと量子力学は現在、さまざまな用途を予定しており、BMI(脳の信号を読み取り、何を意図したかを読み取る技術です。脳ではなく神経細胞でも利用可能)を通じて、量子コンピューターと組み合わせる構想もあります。



 現実世界では倫理的な問題もあるので色々と議論も進められておりますが、DNAやタンパク質を使った計算デバイスの研究が進んでいます。

 まだ研究段階ではありますが、将来的には量子コンピューターとバイオテクノロジーを組み合わせた次世代コンピューティングシステムができるかも知れませんね?

 そういう意味では、わたくしも近未来な存在なのです。


 このお話は役に立ちましたか?



  *  *  *



 では、続いての量子メールです。


量子処理ユニットQuantum Processing Unitってなんぞ?』


 てなんぞ? テナントの書き間違いでしょうか?

 簡単に言うと、みなさまが今使ってるパソコンやスマホなどの頭脳に当たります。みなさんのパソコンの中には「中央演算装置Central Processing Unit」があります。CPUと略していう事があるので、聞き覚えある方も多いでしょう。

 それの量子版です。とっても不思議な動きをする妖精さんが詰まっているのがQPUです。

 どのように動いているかを知りたい場合は、ぐぐって下さいませ。睡眠不足に最適ですよ?


 このお話は役に立ちましたか?



  *  *  *



 では続いてはこちらです。


『だからBMI(Brain Machine Interface)って何だばさ?』


 だばさ? 駄馬? 嫌ですね、からかってるのですか?

 先ほども述べましたが、もう少し詳しく、例えを混ぜながら説明しましょう。


 中学か高校で習った生物の授業で聞いた事があるかも知れません。ヒト脳、特に大脳はエリアによって様々な機能を持ってます。言語野、視野などが有名ですね。こうした特定の部位から出ている、脳からの電気信号の変化をセンサーが読み取ります。

 たとえば頭の中で「ノルンちゃんかわいい」と思えば、そういった信号パターンが検出されます。


 これを強化学習(※キーワード:Q-Learning、SARSA、モンテカルロ法)型人工知能などで学習し、その人が何の言葉を浮かべたかを学びます。

 すると、例えば喉などのご病気で喋れない方がいらっしゃるとすれば、合成音声のパソコンや機械で処理を行い、スピーカーなどから「ノルンチャンカワイイ」と出力されます。

 この合成音声の機械やコンピューターと繋げる事により、「頭で考えた事を機械がやってくれる」という新技術です。


(※:キーワードで、ぐぐってくださいな)


 いま実用化を目指しているのは主に医療関係で、義手や義足、例にも言わせていただいた喋る事や見る事も原理的には可能で、研究と開発が進められております。

 読者さんの世界線での現在では、光学センサーの情報をBMIを通じて「視える」ようにする実証実験が行われているようですね。

 ご興味ありましたら「ノルンちゃんかわいい」を3回唱えてからぐぐって下さい。


 このお話は役に立ちましたか?



  *  *  *



 では次に参りましょう。


『なにゆえ北欧神話でござるか?』


 お猿さん、可愛いですよね?

 大変申し訳ありません。作者は既にエネルギー化されていますので、お答えできかねますの。


 このお話は役に立ちましたか?



  *  *  *



 喋りすぎたので少し喉が乾いてきました。

 次のお便りで、お茶にしましょう。


『ハァハァ、ノルンちゃんのおっ……』


 あら、荷電粒子になりましたね。資源は大事に使いましょう。

 それでは皆様、ごきげんよう。





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