地球儀

NiceWell

第1話


いつか話したあの日のことを覚えているだろうか

なんて誇れることでもないのだけど


君はいつも夢を見ていたね


そこに何があるか

そこに何かがあるのか

そんなことを言ってはいなかったかい


君はいつも素直で

そのメロディーも音色も寝息さえ

どこか幸せを含んだように

やわらかに聞こえたね


でも孤独と対峙してるみたいに

君はいつも何かと目を合わせることを避けて

孤独を孤独だと見る前から

自分は孤独なんだと言っていたね


あれから時間は経って

君はいつものようにまた画面に向かっている

正直、僕が想定していた未来は


君が羽ばたくことだったけど


いつからから僕らは、いいや二人は、互いの道を歩んだね

それはそれぞれの見据えるものが違うのだと思ったけど

きっと君は、その意味さえ確かめることなく


孤独だと言って自らを隠したね


でもね、僕はそれが君の強さだと思うよ

もしあの映画を見たとき、君は確かに笑って終えて

それでも自分の画面に向かうと、また孤独を強いられてる


僕は心配だったんだ

君は誰かの世界から持ち帰ったそんな大事なものを

そのままそこに置いていってしまうんだ

時より読み返す本や、そこにある自然な色を

君はやはり、身構えているのか


一度きりでいいと言って

なんだってやって行ったね


でもね、それでもいいよ

君のいる世界が

そこにあれば

僕の世界もそこに辿り着ける

だからどんなに孤独を思っても


生きていて

君の世界を捨てないで


君は必ず辿り着ける

それか僕が辿りつく


世界はね、とてもいい場所だよ

誰かの声に不安になることがあるかもしれない


それでも君は君でいい

正しさより自分を選んでいい

悔しさより作り笑顔でもいい


君に映る世界は

僕の見てる世界とは

きっと違う

誰もが自分の見方を持ってる

だから見失わないで


その広がる景色は

ただ一人君が抱きしめることが出来る

特別なもの

だからそこに悲しみを覚えたら

素直に自分に語りあげたらいい


君はいつだってそうして

ここまで来たじゃないか

一人だから伝えた

二人になったから笑えた

そうやってどこまでも君は世界を広げた


それはね、君に巡る季節と同じ

多くの人の多くの声と風景を見て

君が移り変わっていく


大丈夫、君はそれでも君であれる

世界は初めから、誰もが自分で居て良い場所

だから戸惑わないで、自分を信じて生きて


大丈夫。


僕は僕で、君は君で。

そのまま、ありのまま。そのペースで。良い。


そして、一人、二人と。


君の行ける最後まで

世界に居た分だけ、誰かを愛せるから。

だから生きてね。


僕らの世界はまだまだこれからだからさ。


君が居ないと始まりそうにないしさ。


じゃ、頑張るか。


出会った同士、最後まで勇ましく。

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