二十五の社会人と恋がしたい

二十五歳


中学生の僕らにとってはそれはあまりに大人で、果てしない未来を見てるようだった。


二十五歳


高校生の僕らにとってそれはあまりにお兄さんで、僕らもその頃には結婚なんかしてると思っていた。


二十五歳


大学生の僕らにとってそれはあまりにおじさんで、大学を卒業した人はもう若くないと思っていた。


二十五歳


社会人の僕らにとってそれはあまりに頼り甲斐のある先輩で、余裕があって、若くて艶やかな存在だった。


二十五歳


二十五歳の僕らにとってそれは同級生であって、仕事も慣れてきて、遊ぶ余裕も出てきた人。


いま僕は考える。


大人で、お兄さんで、おじさんだった二十五歳は、なんとも脂の乗った食しがいのある青年だ。


お前らが言う


「二十五歳以上は関わりません」


というのは、えぐみがなく、一番美味しい時の果物を自ら捨てるようなもんだ。


だから僕は思う。


しょうもない十八から二十くらいの世間知らず大学生なんかと関わらずに


二十五の社会人と恋がしたい。

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