【続】 婚活中80歳女性の転生婚活!

崔 梨遙(再)

1話完結:2400字

 毒島妙子は高校生になっていた。毒島妙子はヤエという現代の80歳の婚活中女性だったが、死後、天国からも地獄からも受け取り拒否されて、現代の中学2年生の毒島妙子として転生したのだ。妙子は果敢にモテる男子にアタックしたが惨敗、自分に好意を持ってくれている多田野一郎君の親が医者だからという理由で、多田野君と付き合い始めた。


 その後、医者を目指すことにした多田野君と妙子は猛勉強をして、進学校に入学することが出来た。そして高校2年生になった。



「多田野君」

「何? 毒島さん」

「私、合コンに行ってくるわ」

「よくそんなことを彼氏の僕に言えるね」

「内緒で行くよりもええやろ?」

「なんで? 僕に不満があるの?」

「不満があるというより、自分の可能性を広げたいねん。もっと多くの男性の中から選びたいんや」

「それって、僕に不満があるってことだよね?」

「なんやねん? 何か文句があるんか?」

「もしも僕が“行かないでくれ”って言ったらどうするの?」

「え? 行く」

「ああ、もう決定事項なのね」

「あんたはドッシリ構えてたらええねん」

「僕よりもイイ男がいたら?」

「え? そっちに行く」

「ドッシリ構えていられないじゃん」

「まあまあ、心配せんでもええから。あんたは大事なキープ……じゃない、彼氏やで!」

「もういいよ、いってらっしゃい。でも、誰から合コンに誘われたの?」

「え? まだ誘われてないで」

「だよね、毒島さん、友達がいないもんね」

「まあ、大丈夫や」



 クラスの女子グループの1つ、美少女揃いの神崎グループ。お嬢様、神崎麗子がリーダーのグループだ。


「ねえねえ、今度の合コン、どんな服を着ていく?」

「かわいい系で行こうかなぁって思ってるねん」

「じゃあ、私は色気をアピールしようかなぁ」

「あんたの貧乳じゃあ、色気なんか無いわ」

「色っぽいのは麗子だよね、やっぱり」

「今度は私立○○高校の男子やで、お坊ちゃま学校やから期待してしまうなぁ。どんな素敵な男子が来るんやろう?」


 昼休みの女子トーク、妙子は席から立ち上がり、神崎グループに近寄った。


「合コン、私も行くわ」

「「「「……」」」」

「聞こえた? 私も行くから」

「あなた、誰?」

「同じクラスの毒島妙子やんか」

「えーと、今、合コンに来るって聞こえたんやけど」

「そうや、私も行くから、よろしく」

「でも……4対4でセッティングしてるし」

「ほな、5対5にしといてや。お坊ちゃまには私も興味があるねん」

「えーと……そうそう、合コンの話じゃないけど、今日のタコパ、楽しみやね」

「麗子の家に行くのは緊張するけど」

「なんで? 緊張しなくてもええやんか」

「だって、麗子の家って豪邸やもん」

「なあなあ、タコパって何?」

「え? ……たこ焼きパーティーやけど」

「ほな、私も行くわ」

「え! 毒島さんも来るの?」


 近くの席で会話を聞いていた多田野君がハラハラしていた。



「あれ? たこ焼きがどんどん無くなっていくんやけど」

「私、まだ1つも食べてない」

「毒島さん、今、何個目?」

「50個を超えたところ」

「じゃあ、毒島さん、100個食べちゃえ!」

「100個! 100個!」

「任せといて!」


「100個完食-!」

「毒島さん、スゴイ!」

「ほな、帰るわ。合コンはいつ?」

「土曜日の○○時、○○駅に集合」

「行くわ、ほな、さいなら」


「たこ焼き、全部食べられちゃった」

「あいつ、なんであんなに図々しいの?」

「私、たこ焼き1個も食べてないんやけど」

「ピザでもとろう」

「なんでタコパに来てピザ食べなアカンの?」

「あいつに仕返ししてやろうよ」

「どうするの?」

「合コンで、思いっきり無視したらええねん」

「そうしよう、そうしよう」



 合コンの日。4人の女子は着飾っているのに、妙子はネルシャツにデニムパンツ、そしてサンダル。相手はイケメン4人。みんな、医者の息子とか社長の息子とか、お坊ちゃまらしい。妙子のテンションは爆上がりだった。


 昼はお好み焼きだった。


「ちょっと、5対5にしてって言うたやんか」

「毒島さん、ごめーん、急だったから4人しか無理だった」


 フリートークが始まると、端の席の妙子に話しかける者はいなかった。妙子は暇だったので、スグにブタ玉を食べ終わり、餅チーズモダンを注文した。それも食べてしまい、遂に3枚目、ミックスモダンを注文した。


 ミックスモダンを食べている時に、みんなでカラオケに行こうという話になった。妙子は急いでミックスモダンを食べ終わろうとしたが、男性陣のリーダーから言われた。


「あ、君は来なくてええから」

「あ、もうすぐ食べ終わるから、ちょっと待っててや」

「いや、そうやなくて、君はもう来ないでくれ」

「え! どういうこと?」

「君は邪魔やねん、ほな、さよなら」

「毒島さん、ごめーん! 私達はいくから! じゃあねー!」


 皆、去って行った。妙子が立ち上がって店から出ようとすると、店員に呼び止められた。


「すみません、ブタ玉と餅チーズモダンとミックスモダンだけ、お勘定がまだなんですけど」

「私の分は、払ってくれてないんかーい!」



 ということで、多田野君がお好み焼き屋に呼び出された。多田野君はイカ玉を食べていた。


「なあ、ヒドイと思わへん? ヒドイと思うやろ?」

「友達でもないのに、合コンに参加しようとすることが無理なんだよ」

「一緒にタコパしたで」

「あ、それ噂になってるよ。みんなの分まで1人で食べたって」

「100個しか食べてへんわ」

「食べ過ぎだよ。で、今日はなんで僕を呼んだの?」

「決まってるやろ? 私の食べたお好み焼き代を払ってもらうためや」

「はいはい、払いますよ」

「はあ……私の本当の恋愛の相手、王子様はどこにいるんやろう? 悔しいからリベンジや! 私はもう一度合コンに行くで-!」

「あのさぁ」

「なんや?」

「今、目の前で、王子様はどこ? って発言されて、更に、もう一度合コンに行く宣言をされたけど、いったい僕は毒島さんの何なの?」

「そりゃあ、キー……彼氏やんか」



「今、キープって言おうとしたよね?」







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【続】 婚活中80歳女性の転生婚活! 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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