第3話

「ヒゲと羽根」


愛猫ルナのヒゲ

ステキな落とし物ですね。

仰向けで寝ていると、ゆっくりよってきて

胸の上にのる、チャポンタ。

温かい重みと、近すぎる猫顔と猫息を、

思い出します。


換羽期のワシミミズクのワッシー

荒れた姿になっている。

矢の当たった落ち武者のようだ。

いつ行っても会えると思っていた。

今日はいない。

貼り紙がある。横浜の動物園へ繁殖のために行ったという。

体から飛びだしていた大きな羽根一本でも

欲しかったと思ってしまう。

ここではもう会えないのだ。


私のスケッチ帳には、ワッシーの姿が残っている。

堂々と立っている。

羽根や毛の一本ではないけれど、その姿は残っている。

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