氷空に庵に花の流れ散るらん
藤泉都理
第1話 出会い
「え~~~っと」
屋根には茅を、壁や床には竹を使って建てられた庵の縁台にて。
紅葉が彩られた浴衣を着崩す青年、
茅の塀に勢いよく突っ込んで来た少年はその勢いを殺して立ち止まり、只ひたすら真っ直ぐに青年を見上げている。
全身を血に塗れさせて。
願いを口に出しては口を一文字に結んで。
少年のその瞳が紅に見えるのは、充血しているからか、血に塗れているからか、それとも生まれつきなのか。
「え~~~っと」
肘を立てては顎に手を添えて寝転んでいた楓は上半身を起こして胡坐を掻くと、まずはお風呂だと少年に言った。
「僕、血の匂いが嫌いなんだよね」
(2024.11.9)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます