ひまわりと雨

@2017k0528

第1話 入学式を迎えて



ああ、ついにこの日が来たのか。。

天気は雨時々曇り。高校の入学式なのに。

まるで自分の心の中みたい。


本当は、S高校に行きたかったけど、落ちて私立に行ったら困るからと、一つレベルを下げてこの霧高校に志願変更して入学した。

名前も、制服もダサいし、おまけに公立なのに茶髪禁止、ネクタイ、リボンなどの装飾禁止って。。でも近くて軽音楽部があるところってここしかなかったんだよね。


なんて考えてると、後ろから「おはよ!ゆみこ!」って叩かれた。

「あーおはよ!ハル!」

この子はハル。小学校が一緒で中学も一緒。おまけに中学の部活も一緒の吹奏楽部。

私はコントラバス、ハルはチューバでお互い低音がすき。そして共通点は中島美嘉が、好きなところくらい。他は全然ちがう。

ハルは23歳の年上彼氏がいて、性格は強め。現実主義者。黒髪ロングで胸もある。

私は彼氏いたことないし、どちらかというと漫画に出てくる俺様男子がすき。性格はよく天然ボケって言われるし、人に合わせるし細いけど幼児体型かな?


「ねー、ゆみこも軽音楽でしょ?一緒に入ろうよ。私ドラムやるからさー」とハル。

「本当はボーカルやりたいけど、家にベースあるからベースかな笑」と私。

そう、昔から歌は大好き。ベースは昨年誕生日に買ってもらった。ギターボーカルは聞いたことあるけど、ベースボーカルは無い。

だからボーカルじゃなくてベースにしよう。


ハルと校内に入るとやっぱりクラスは別だった。それにしても、なんか地味な学校。他の高校はヤンキーやらギャル男やらイケイケ系の子いるのに、なんか坊主率高め。

うーん、大丈夫か私の青春。


初日は特にクラスメイトと絡むことなく、即帰宅。帰ったらお母さんがいた。

「おかえり〜、どうだった高校は」


どうもこうも、うちならお金があれば、志願変更せずにすんだのに。


なんて嫌な考え方をするんだ私。。

自信のない自分が悪いのに。


うちはシングルマザーで高校落ちて私立なんてやめてって言われた。だからわたしは志願変更した。兄は志願変更とかではなく推薦でいける公立高校、そして推薦でいける大学を選んだ。上を目指そうと思えば目指せたのに、私たちは安全杯を選ぶ。


部屋に入ってCDを流す。

今日は絢香の歌を歌おう。


「手をつなごう」

♪耳を澄ませば聞こえる 笑い声や涙音

一緒に行こう 愛する君と


ぶつかっては また抱き合って 弱さ分けあってく

永遠て言葉 あるのかな 

無い と思うと 怖くなるけど

ずっとずっと 続く道があるから


私が好きな歌。歌はずっと好き。本当は歌手とか女優とか、表現する仕事がしたい。


よし、明日は化粧ばっちりして、スカート短くして、ネクタイしてピアスしてこーっと。

校則違反だけど。。。

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